トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(東京)
2016/06/29

【東京】都 大規模団地再生へ支援策検討

 東京都都市整備局は、都内にある大規模住宅団地の再生に向けた支援策の検討を開始する。建物の老朽化や居住者の高齢化が進む中で、建て替えやストック活用、集約化などさまざまな再生手法を整理しながら、関係者の合意形成や資金調達方法、高齢者や若年世帯の住み替え循環の仕組みづくりといったソフト・ハード両面の支援策を考える。地域総合計画研究所(港区)に委託した調査業務を通じて現状把握や課題の整理を行った上で、具体的な支援策を検討し、意識啓発のためのガイドブック案も作成する。
 都内には、高度経済成長期の人口集中に対応するため、都や区市町など公的住宅事業者と民間事業者が開発した集合住宅や一戸建ての団地が多数存在する。周辺や団地内に整備された道路、緑やオープンスペースなどもあり、地域の重要な“住宅資源”となっている。
 一方、それらの住宅団地の多くは完成後40年以上が経過して建物や設備の老朽化が進み、居住者が一斉に高齢化してきている。規模の大きな団地ではこうした問題が、地域のまちづくりに大きな影響を与えることが懸念されている。
 そこで、人口減少社会における大規模住宅団地や住宅市街地の抱える課題を整理した上で、将来の都市像を展望。それぞれの立地に応じたメリハリのある施策展開ができるよう、再生に向けた方向性や支援策を検討する。
 今回委託した業務を通じ、入居開始から40年以上経過する500戸以上の大規模民間分譲集合住宅団地10カ所程度と、区域面積が20ヘクタール以上の大規模一戸建て住宅団地20カ所程度の立地状況を調べ、現況台帳を作成する。併せて住宅管理者や管理組合、自治会、地元自治体へのアンケート・ヒアリングを行い、団地再生の意向を把握する。その際、余剰地や余剰容積率を活用した集約化・高層化の可能性も探る。
 また、全国での事例なども参考に、建て替えやストックの活用、集約化といった再生手法別の事業手順を整理し、団地再生の取り組みの契機、関係者の合意形成の進め方や資金調達方法、行政の関わり方などを調べる。
 個別の取り組みとして、共用部のバリアフリー改修や、さまざまな世帯が入居できるようなリノベーションの在り方、高齢者や若年世帯の住み替え循環の仕組みづくりなど支援メニューも整理する。
 その上で、大規模住宅団地の再生の取り組みを進めていくために必要な都としての具体的な支援策を提示する。