東京都財務局は、設計等業務委託でのプロポーザル方式の試行で、参考業務規模(大まかな予算)を事前に公表する方針を固めた。特定した技術提案書の内容と、発注者が設定した予定価格が釣り合わない案件が散見されるため、適正価格での契約につなげていきたい考えだ。各局の契約担当に取り扱いを周知し、7月1日以降に公表する案件から運用を始める。
都の「設計等業務委託契約に係るプロポーザル方式試行要綱」では、対象とする業務の内容や、案件ごとの実施要領の記載事項、技術提案書の記載事項、資格要件や業務内容など事前公表する内容、技術提案書の選定方法などを定めている。
このうち事前公表すべき「業務の内容に関する説明(説明書を含む)」では、必要に応じて業務量の目安を判断できる情報を具体的に示すことと明記しているものの、この情報が記載された案件はないのが実情だ。
そのため、団地の設計など構造や規模から一定の予算額を算出しやすい案件がある一方、提案の範囲が幅広く業務量の判断が難しい案件では、採用された事業者の提出した技術提案書と、都の設定した予定価格が不均衡になっているケースも散見されるという。
そこで、案件の公表時に、業務量の目安を判断できる情報として参考業務規模を記載することでプロポーザル方式試行要綱の運用を統一化し、適正な価格での契約につなげる。
記載に当たっては、予定価格の百万円未満の数字を切り捨てた金額を提示することとし、「本業務の参考業務規模は○千○百万円程度(税込)」などと明記する。
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建通新聞社