木曽、長良、揖斐の三大河川に囲まれた県都岐阜市など6市3町を管轄する岐阜県岐阜土木事務所と岐阜県岐阜農林事務所。県民の生活安全確保、経済の活性化など県下の中心地で地域の未来を担う基盤整備づくりを進める岐阜土木事務所の近藤真章所長と岐阜農林事務所の桂川直人所長に2016年度の事業計画などを聞いた。(聞き手は岐阜支局=村上周平)
県岐阜農林事務所の事業展望 桂川直人所長にインタビュー
――農業農村整備事業について
「ぎふ農業・農村基本計画の『売れるブランドづくり』、『住みよい農村づくり』として、農業生産基盤の整備ならびに農業尾・農村の強靱(きょうじん)化対策を推進する」
「県営かんがい排水事業(保全合理化型)では、各務用水三期(岐阜市、関市、各務原市)、福富(岐阜市)、松枝・足近(羽島市)、東沖(山県市)の各地区で用水路やゲートなどの保全対策を実施し、長寿命化を図る」
「桑原二期地区(羽島市)は、下流用水路のパイプライン化を進める。木田地区(岐阜市)は、17年の工事に向け実施設計を行う。県営水質保全対策事業は、羽島5期地区(岐阜市、羽島市、各務原市、岐南町、笠松町)での東幹線のパイプライン化を実施するほか同6期地区の東幹線で実施設計を行う」
「15年度からは岐阜県強靱化計画に基づき、農業用ため池、農業用排水機場の更新整備を計画的に実施している。逆川1期地区(羽島市)では、排水機場のポンプ設備の製作据え付け、建屋、電気設備の整備を進める。ため池等整備事業では、伊自良ため池(山県市)の堤体改修、岐阜一期地区(岐阜市、各務原市)の浚渫を行う」
――治山・林道事業について
「災害に強い森林づくりを推進するため、森林が持つ公益的機能のうち土砂災害、洪水その他災害の防止機能が高度に発揮されるよう計画的な間伐・治山対策に取り組む。岐阜県強靱化計画関連では、治山施設の整備に加え、既存の治山ダムの流木を止める施設整備箇所の検討を行う」
「治山事業では公共と県単で岐阜市2カ所、各務原市2カ所、山県市1カ所、本巣市3カ所の合計8カ所で谷止工や山腹工などを県営で実施する。そのほか県単補助治山を岐阜市で1カ所予定している」
「林道事業では、伊自良〜根尾線の開設工事を進める。森林整備では、間伐約660f、森林作業道(森林管理路含む)延長約8`の実施を予定している」
――建設業界への期待・要望
「建設業は、地域の基盤整備、災害時での対応など『安全で安心な暮らし』の確保と『環境の保全や創造』といった役割がある。
「一方で、建設業界は技術者不足、資材調達の高騰等により円滑な施工の確保に苦慮していると聞いている。建設業の健全な発展のため、適正に予定価格を算定し、可能な限り上半期に発注し工期確保に努めるので、安全第一と品質の高い施工を期待する。また皆さんのネットワークで治山施設など整備が必要な箇所の情報提供をお願いしたい」
提供:
建通新聞社