金沢市は、第2庁舎の建設に併せて整備する危機管理センター内に、現行の各種防災情報システムを統合した新たなシステムの整備を計画しており、このほど基本計画をエヌ・ティ・ティ・データ北陸に委託した。
市役所本庁舎にある現行の各種防災情報システムは、それぞれ個別のシステムで自動化されておらず、職員が手作業で操作。そのため、迅速な情報収集・発信にやや不安が残るとされている。
危機管理センター内に設置する新たなシステムは、迅速かつ的確な情報収集と確実な情報伝達を目的に、現行の各システムの統合に加え、災害対応状況の見える化や情報発信の自動化などの導入も検討する。各部局や防災関係機関からの情報収集・共有、地震や水害など各種災害情報の集約・集計・分析、避難場所等の情報管理などを一元化し、市民に適切な避難行動を指示する。先月完成した秋田市の危機管理センターに設置された最新の防災情報システムなどを参考にする。
危機管理センターは、市役所本庁舎に隣接する南分室の解体後に建設する第2庁舎(RC一部S造地上3、地下1階建て延べ1万2281平方メートル)の1階部分490平方メートルに免震構造で整備。災害時において対策本部となる災害対策室やオペレーションルーム、執務室、非常電源設備などで構成し、市の災害対策活動拠点に位置づける。
市は今年度、システムを整備する上での課題の整理や、基本方針・整備範囲の検討、整備に係る基本計画を策定し、以後の設計業務の円滑化と低廉化を図る方針。
今後の事業スケジュールによると、17年度に基本設計、18年度に実施設計に着手し、19年度からシステムを構築。20年度の第2庁舎完成にあわせ運用開始する予定。
なお、現行の防災情報システムは、▽雨量・河川水位観測、道路状況監視▽消防局高所監視▽気象情報システム▽Jアラート▽Lアラート▽同報防災無線設備▽金沢ぼうさいドットコム▽電光情報表示システム▽ラジオ・ケーブルテレビ割込放送設備▽県防災行政無線▽県総合防災情報システム―。