国土交通省徳島河川国道事務所は、2016年度の河川関係事業(維持修繕除く)に34億円を投じて河川改修事業や河川工作物関連応急対策事業、環境整備事業を進める計画だ。事業別では、河川改修事業に29億6800万円、河川工作物関連応急対策事業に3億5400万円、環境整備事業に7800万円をそれぞれ充てる。また、国のことし1月補正による河川改修事業費の追加や15年度末で終了した全国防災事業の予算の繰り越し分について、引き続き円滑な事業執行を進め、吉野川で築堤・浸透対策や旧吉野川で河川堤防の液状化対策などを進めることにしている。
河川改修事業では、吉野川上流で加茂第二箇所(東みよし町)の築堤護岸や脇町第一箇所(美馬市)の高水敷整備、吉野川下流で勝命箇所(阿波市)の樋門・築堤、榎瀬川(徳島市)で樋門改築などを進めるほか、旧吉野川で新喜来地区(北島町)の旧取水施設撤去と広島地区(松茂町)の低水護岸を展開し、中喜来地区(松茂町)の用地補償も引き続き推進する。旧吉野川と今切川で進める地震・津波対策(液状化対策)では、旧吉野川で浮遊式陸閘(りっこう)の整備が進められる予定。
また、河川工作物関連応急対策事業では、ほたる川樋門(吉野川市)でラック式開閉装置の整備と学島排水機場(吉野川市)の無水化対策などを実施する。総合水系環境整備事業では、三庄地区(東みよし町)で水辺整備(かわまちづくり)に向け、高水敷整備などの整備が予定されている。このほか維持修繕事業として、旧吉野川(板野町大寺地区)で巡視路整備などを予定している。
徳島河川国道事務所管内の16年度河川関連主要事業概要は次の通り(@全体計画A工事諸費等を除く16年度事業費B16年度事業内容C備考)。
◇河川改修事業
▽吉野川加茂第二箇所(東みよし町加茂地先)@堤防整備(築堤)4500bA6億1800万円B樋門1基、用地買収3・4f、用地(墓地)100基C15年度1月補正で事業費1億7200万円(築堤170b)
▽吉野川脇町第一箇所(美馬市脇町拝原地先)@築堤390bA4億6700万円B高水敷整備6万2500立方b、築堤265b、用地1・6f(16年度完成予定)
▽吉野川勝命箇所(阿波市阿波町南谷島地先)@築堤2・3`、樋門3カ所A2億5800万円B用地4・3f
▽吉野川榎瀬地区(徳島市川内町榎瀬地先)@樋門の耐震化(樋門改築1基)A9億0600万円B樋門改築1基(継続)、用地0・04fC18年度完成予定
▽旧吉野川(新喜来地区)(北島町高房地先)@築堤1570b(09〜18年度)A1億2600万円B旧取水設備撤去(鳴門浄水場)
▽旧吉野川(中喜来地区)(松茂町〜鳴門市大津地先)@左岸下流工区築堤1740bA1億8300万円B用地0・09f
▽旧吉野川広島下流地区(松茂町広島地先)@右岸下流工区築堤1950bA1億8400万円B無底部解消(低水護岸)80b、用地補償0・02f
▽旧吉野川・今切川下流地震・津波対策(鳴門市里浦町里浦地先)@堤防液状化対策A2億2600万円B堤防液状化対策(浮遊式陸閘)2基
◇河川工作物関連応急対策事業
▽吉野川(ほたる川樋門)(吉野川市山川町中須賀)@ほたる川樋門開閉装置改善A1億1000万円Bほたる川樋門開閉装置改善(ラック式開閉装置)
▽吉野川(学島排水機場無水化対策)(吉野川市川島町桑村)@学島排水機場無水化対策A2億4400万円B主ポンプ更新(無水化)2台、主原動機更新(無水化)2台、減速機更新2台、系統機器の削除など
◇総合水系環境整備事業
▽吉野川水系三庄地区(東みよし町)@管理道整備3200b、階段5カ所、坂路2カ所、スロープ2カ所、根固200b、高水敷整備15f(15〜18年度)A7800万円B測量・設計、高水敷整備4f、坂路1カ所、階段2カ所C総事業費約4億5800万円
◇維持修繕事業
▽旧吉野川維持修繕(板野町大寺地区)@巡視路整備380b(14〜18年度)A1500万円B巡視路整備130bC総事業費4500万円(町が用地)
▽今切川維持修繕(徳島市川内町榎瀬地区)A7000万円B護岸補修110b
提供:建通新聞社