福島建設工業新聞社
2016/06/23
【福島】要改修防災拠点154棟を指定/県耐震改修促進計画
県は、25年施行の改正耐震改修促進法に基づき、耐震改修が必要な防災拠点建築物154棟を指定し、県耐震改修促進計画に記載する。避難所、庁舎、大病院、消防施設など、災害時でも拠点として機能確保が求められる公共・民間施設のうち、旧耐震基準で建設されたものが対象で@耐震診断の結果、耐震改修が不要A耐震化終了または耐震工事中B用途廃止が確実―なものを除いた22市町村の150施設と4民間施設。指定を受けた建築物は30年12月31日までに、耐震診断結果報告義務が発生する。県は、国の上乗せ補助を活用し、施設の早期耐震化を進めたい考え。
改正耐震改修促進法では@病院・旅館等不特定多数利用の建築物A大規模な危険物処理場等B耐震改修促進計画に位置付けられた避難路沿道建築物・防災拠点建築物について耐震診断の報告義務と公表が課せられている。このうちBについては、都道府県が指定し耐震改修促進計画に記載することが必要。このため現行の県耐震改修促進計画にB部分を盛り込むとともに各種数値の時点修正を行う。県民意見公募を経て、7月中旬には改定する。
今回対象の施設のうち、約半数は耐震診断を行っておらず、残りは診断を受けた結果、耐震性を満たさなかったが工事未着手のもの。
27年12月から市町村等と建築物所有者に照会し、回答を得たもので、原発事故で役場庁舎が移転していた6町村(飯舘、富岡、大熊、浪江、双葉、葛尾)を除く53市町村のうち、地域防災計画見直し中の21市町村と、防災拠点施設の耐震化が終了した10市町村を除いている。
今回が第1次指定で、地域防災計画見直しが終了する21市町村分は、年度末の第2回で指定する。
耐震化に対する支援策として、国は25年度に3年間の時限で創設した耐震対策緊急促進事業を30年度まで継続実施することとした。
補助率は耐震診断・補強設計の場合、国負担は現行の住宅・建築物安全ストック形成事業での3分の1から2分の1へ、工事の場合は現行の住宅・建築物安全ストック形成事業での3分の1から5分の2へ、それぞれ上乗せされる。
30年度中に補強設計に着手すれば、工事も補助対象となる