九州地方整備局は、国道57号阿蘇大橋地区の北側に計画している新ルート整備事業で、設計段階から施工者が関与する「アーリー・コントラクター・インボルブメント(ECI)方式」の活用を検討していることが本紙取材で明らかになった。災害協定を結んでいる建設コンサルタンツ協会九州支部に14日、災害応急対策業務に係る支援を要請しており、今後協会側が推薦する業者をヒアリングして選定する見通し。
北側の新ルートは、現国道57号の北側を通り、阿蘇市側を起点として大津町に至る約13`を想定=図参照。外輪山の二重峠付近を通るため、トンネル区間約4`の整備が必要となる。中九州横断道路のうち、事業を休止している「阿蘇大津道路」の計画ルートと近いため、過去の地質データなど技術的な成果も活用したい考え。
ECI方式は、設計の段階から施工者の工法提案等の技術協力を実施するもので、施工者とは技術協力に先立って契約する。改正品確法に盛り込まれた多様な入札契約方式の一つで、県内では桜町地区第一種市街地再開発事業でも採用されている。導入メリットとして、施工者の観点から様々な提案があることで、施工性の面で設計変更等のリスクが少なくなり、工期短縮等が期待できるという。
14日に閣議決定した復旧予備費使用概要によると、43億7200万円が国道57号の道路災害復旧事業費に充てられており、設計、道路測量設計、地質調査や一部進入路工事を実施する。九地整では、地質調査や測量設計などを踏まえて、早急に起点・終点部を含めた詳細なルート選定に入りたいとしている。
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西日本建設新聞社