日本工業経済新聞社(山梨)
2016/06/21
【山梨】戦略会議で方向性を 山梨市の市所有施設活用案
山梨市は16日、市議会6月定例会において3会派からの代表質問を行った。合併特例債活用や企業誘致などの地方創生と交付金、都市計画道路の見直しなどが取り上げられ、市側は、狭あいな市道は全体の半分であることを明らかにし、特例債の地域振興基金への積み立て活用を検討。新たに設置する戦略会議で空き小学校施設後利用の方向性を定めるなどの答弁を行った。
山友会の大村政啓議員は「道路行政」「過疎自立促進計画の考え方」「基金の内容と合併特例債の活用」などを質問項目に挙げた。
生活道路に緊急車両の進入が困難な未改良な部分があるとただしたのに対し、望月清賢市長は「市道認定の幅員は4m以上で、これを満たしていない市道は全体の49%(L243q)」と答えた。また「起点・終点が幅員4m以上の道路に接続している。地権者・関係者など全員の同意が得られている。移設が不可能な建造物がない」の3点を申請要件とし、現地を確認したうえで重要度や危険度を考慮して、特定地域に偏らないように進める方針である、と答弁した。
また「特例債の活用として、地域振興基金への積み立ては」と尋ねたのに対しては「借入に伴う実質の財政負担を勘案しながら検討する」と松土茂治財政課長は答えた。
新翔会を代表して質問に立った乙黒泰樹議員からは「企業誘致政策」について問われ、望月市長は「5年間で200人の仕事創出を目標としている。農業関連、医療・福祉・介護関連に加え、ショッピングセンターや飲食関係の誘致も進めたい」との意向を示したうえで「市所有の空き公共施設は戦略会議で方向性を定め、空き工場バンク制度も活用して積極的に進める」と述べた。
また「小原スポーツ広場改善」については、中村貴仁生涯学習課長が「照明、日除けについては対応策、改善策を調査・研究する。特定競技の専用グラウンドとしての整備は難しい」と返答した。
市民の会の古屋雅夫議員は、都市計画道路の見直しにおける優先順位や着工時期、野背坂線沿線の活性化策と牧丘・三富地域の空き公共施設の活用を尋ねた。
望月市長は「都市計画道路は早期、中期、長期の事業路線に分け、順次、計画的、継続的に進める。最優先は、現在整備を進めている加納岩小学校西通り線」とし「野背坂線沿線のゴルフ場計画跡地は現在同路線工事の残土処理場。あらゆる可能性を持つ価値のある場所なので、完成後、早い段階で方向性を見出す。庁内に設置する戦略会議の場で地域の声に考慮して、空き公共施設の有効活用を図る」と答えた。