北海道建設新聞社
2016/06/21
【北海道】札幌市除雪事業協会が代表者懇で排雪運搬費見直しを市に要請
札幌市除雪事業協会(乳井文夫会長)は17日、札幌コンベンションセンターで代表者懇談会を開いた。会員企業の経営者ら約120人が参加。札幌市建設局の雪対策室と土木部道路維持課に、排雪抑制路線の廃止や各種単価、排雪運搬費の実態乖離(かいり)の見直しや、堆積場の確保などを要請した。
この懇談会は、各地域で異なる除排雪業務の課題などを共有し、今後の体制強化につなげるため毎年開催しているもの。
はじめに、協会が4月に雪対策室へ提出した改善要望5項目に対し、国兼崇史事業課長が回答。待機補償料60%から80%への引き上げは、2015年度実績で約5億円増と大幅に費用が上昇するため、「数値の根拠となる資料作成などを、協会と協議して進めている」と答えるにとどめた。
日当たり設計施工量と交通誘導員の実数精算には、5年に一度としていた作業効率調査の実施を前倒しする考えを示唆。地方ダンプトラックの経費変更については調査を継続、除雪センター人件費に関しては現状単価への理解を求めた。
吉元雄次道路維持課長は、事前に集めたアンケートと質問に回答。前年に稼働した道路維持管理システムをめぐり7月に意見交換を予定するほか、生活道路舗装は交通量などの面から事後保全型で対応する方針を示し、幹線道路の舗装補修は3年に一度の路線状況調査で判断するため、「時期は一概にはいえない」と述べた。
質疑応答では、参加者がかき分け除雪の周知徹底や、作業効率調査に雪堆積場の業務も含めることなどを提案。パートナーシップ・交差点排雪の排雪・運搬費の実態乖離に、堆積場の開設地が年々郊外化していることが背景にあるとの指摘もあった。
市は、子ども雪体験授業の経費負担やパートナーシップ排雪の交通誘導員夜間単価適用に応じる考えを表明し、自動車事故などの危険が高い排雪抑制路線の廃止を求める意見には、路線を見直す姿勢を見せた。
地域ごとの実情に合わせた設計単価の要望に対しては、エリア分けなどの課題も踏まえた検討が必要と答えた。