柏崎市は19日、「柏崎市新庁舎建設基本設計業務公募型プロポーザル」の公開プレゼンテーションと2次審査を文化会館アルフォーレで開き、最優秀者に佐藤総合計画(東京都墨田区)を選定した。次点の優秀者は香山壽夫建築研究所・石本建築事務所JVだった。
公開プレゼンテーションでは、1次審査を通過した5者に各30分の持ち時間を与え、それぞれ10分のプレゼンテーションと20分の質疑応答を行った。提案課題は▽市民にとって分かりやすく利用しやすい庁舎▽中心市街地活性化の核となる庁舎▽高い防災機能を備えた庁舎▽簡素で機能的な庁舎−の4項目。長澤悟教育環境研究所理事長を委員長とする選定委員会が審査を担当した。
同社の提案コンセプトは「つながる・にぎわう・ひろがる 柏崎市新庁舎〜まちとつながる市民の雁木ひろば〜」。最大の特長は庁舎の南側に設けた「雁木ひろば」で、市民窓口や待合室と一体となった活動スペースとして活用が可能。周辺には市民ホールやブックカフェなどの配置を想定しており、夜間・休日を問わず市民が集う場所とする。さらに、道路を挟んだ5街区の商業・住宅施設の開発を見据え、これらとの相乗効果による中心市街地活性化も視野に入れている。
庁舎は4階建てのコンパクトな仕様。1階に窓口部門、2階に議場を置き、3階と4階を執務室とする。低層化により延床面積を1万3000平方メートル程度に抑え、建設費と維持修繕費の削減を図る。基礎免震構造を基本に大スパン化で柱を集約し、耐震性能とコストのバランスを取る。
敷地内に、まちのシンボルとなる塔を建てることも提案した。駅や新旧市街から見える「まちを見守る塔」として、デジタルサイネージや常夜灯のほか、カメラによる定点映像配信など災害時の情報収集手段としての活用も想定している。
2次審査の後、会田洋市長とともに会見に臨んだ長澤委員長は、同社の提案について「冬の北西風から来庁者を守り、駅からやってくる人々を迎え入れるような形をしている。庁舎は簡素で機能的。延床面積の縮小を可能としたコストへの意識を評価し、満場一致で決まった」と説明した。長澤委員長から報告を受けた会田市長は「素晴らしい提案をいただいた」と語り、提案者と委員をねぎらった。
今後、16年度に基本設計、17年度に実施設計を行い、18年度の着工を目指す。