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日本工業経済新聞社(群馬)
2016/06/20

【群馬】「踏切安全通行カルテ」を公表


国土交通省関東地方整備局・関東運輸局管内の道路管理者と鉄道事業者が連携し、緊急対策の検討が必要な踏切766カ所の「踏切安全通行カルテ」が作成された。本県では8カ所のカルテが作られ、うち4カ所は通学路の通行の安全を特に確保する必要がある「通学路要対策踏切」とされた。カルテは今後の対策方針をとりまとめたもので、これに基づいて対策を実施していく。
本県内でカルテが作られたのは◇安中街道(前橋市石倉町622−9)◇関越日高(高崎市日高町337)◇中川学校通り(高崎市井野町176−5)◇八幡(高崎市八幡町240−15)◇桐生線第44号(太田市藪塚町2606−5)◇戸塚(藤岡市藤岡585−1)◇福島小裏(甘楽町福島954−2)◇第二吾高裏(東吾妻町原町761−1)−の8踏切。
このうち安中街道、八幡、戸塚、福島小裏の4踏切が「通学路要対策踏切」、関越日高と中川学校通りは1日の踏切自動車交通遮断量(自動車交通量×踏切遮断時間)が5万以上の「自動車ボトルネック踏切」、桐生線第44号と第二吾高裏は「歩道が狭あいな踏切」とされた。
安中街道(L23・3m)は元総社南小学校の通学路で、2012年度に歩道設置の要望が出された。都市計画道路安中線に位置し、拡幅整備が計画され、西側は土地区画整理事業が区域決定されている。都市計画決定に沿った整備の早期実施が困難なため、暫定整備として踏切内の終点側にW2mの歩道設置を検討している。
関越日高(L9・3m)は、近隣踏切の拡幅工事が12年度に実施されており、交通状況を経過観察中。ただ、国指定史跡・日高遺跡に隣接しており、拡幅工事が困難な状況にあるという。
中川学校通り(L14・5m)は通学路かつ駅前で、小学生や自転車の通行が多く、地元から歩道拡幅の要望がある。現在、踏切拡幅を協議している。
八幡(L14・0m)も通学路かつ駅前のため、歩道拡幅の要望がある。15年6月に「踏切道拡幅改良工事基本協定」を締結し、拡幅工事を実施している。
桐生線第44号(L8・3m)は今後の交通量の変化に応じて対策を検討していく。
戸塚(L6・0m)は地域のメーン生活道路として多くの市民が利用している。地元から踏切拡幅と歩道設置の要望が出ており、協議を進めている。
福島小裏(L6・1m)は14年度に歩道設置の要望があり、現在は歩道拡幅を検討している。
第二吾高裏(L6・0m)は小中高校生の通行が多く、歩道や車道の拡幅要望が出ており、検討を行う。
カルテが公表された766カ所は1都7県に及ぶ。最も多かったのは「開かずの踏切」の371カ所で、「歩行者ボトルネック踏切」361カ所、「自動車ボトルネック踏切」187カ所、「歩道が狭あいな踏切」60カ所、「事故多発踏切」42カ所、「通学路要対策踏切」19カ所−となっている。本県は通学路要対策踏切の比率が多い状況だ。