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日本工業経済新聞社(山梨)
2016/06/17

【山梨】前倒し発注による下半期事業国へ要望を

 県公共事業の上半期前倒し発注に伴う下半期の予算確保について、県土整備部の大久保勝徳部長は、県議会土木森林環境委員会(15日)で「今後も国に対し、補正予算確保について効果的な要望を行ってまいりたい。また、用地の早期取得や関係機関協議など県の発注体制も整えていく」と説明した。
 大久保部長は答弁で、県の公共事業費は2015年度本予算で下げ止まり、16年度当初も同規模を確保したことを紹介。部の予算は国の補助事業や交付金事業が多くを占めるが、16年度当初予算に対する国の内示では概ね確保されたことにも触れた。今後も「国に補正予算確保の効果的な要望を行っていきたい」と強調した。
 一方で、県の工事発注体制も整える必要があるため、「用地の早期取得や関係機関協議など発注体制も準備していきたい」とした。
 土木森林環境委員会の質疑で渡辺英機委員は、本年度公共事業の前倒し発注によって上半期に工事が集中し、下半期には工事が少なくなるのではと危惧。後藤斎知事が所信表明で国に補正予算の編成を要望したと述べたが、県土整備部の取り組みを聞いた。さらに、近年の公共投資抑制で県内業者の体力が弱っており、受注体制が整っているのか質した。
 県土整備部では、現場代理人や主任技術者の配置要件を緩和するなど、なるべく多くの工事で入札参加できるようにしたことを説明。品質管理については、施工体制パトロールなどでプロセスチェックをしており、現場管理を監視していると答弁した。
 適正工期の確保については、繰越制度などを活用して余裕を持った工期を設定して発注し、品質確保、安全確保に努めていくとした。
 渡辺委員は、公共工事が円滑に執行されないと「山梨県の元気が無くなっていく」と指摘。県内経済の活性化を図る意味でも県土整備部の取り組みに期待を寄せた。
 県では公共事業について、本年度当初予算と前年度の繰越額を加えた528億円の約8割を9月末までに契約済みとする過去最高水準の目標を設定し、発注を進めている。