「高松空港の運営委託に関する有識者会議」(会長・竹崎克彦香川県商工会議所連合会会長)は高松空港の運営委託について各委員からの意見を取りまとめ、8日、県庁内で竹崎会長から浜田恵造県知事に報告書を手渡した(写真)。
有識者会議は▽高松空港の目指すべき方向性▽その実現手法としての運営の民間委託▽より成功に導くための措置の必要性▽さらなる発展のための課題―の四つの観点から議論した。
目指すべき方向性でアジアをはじめとする内外から四国・瀬戸内地域への広域観光需要に対応した西日本におけるゲートウエイの一つとして、「交流人口の拡大による地域活性化をけん引する空港」、「高松都市圏を中心とする四国の拠点地域のビジネス需要などに対応した高質な空港/航空サービスを提供する空港にする」とした方向性で一致。
その実現手法として、制度的な側面で空港が地域の重要な交通インフラであることから、国が施設を保有したまま民間に運営委託する「コンセッション方式」が有効だとする認識を共有。同方式が安全・安心について国が担保しつつ、運営の民間委託についても高松空港の目指すべき方向性の実現のための有効な手段になるとした。
特に、運営の民間委託を進めるに当たっては、高松空港の実情を踏まえた独自の措置が必要で、具体的に民間主導という点に十分配慮しつつ、▽運営権者との連携・協力(出資や役職員の派遣)▽事業者の参加制限(独占的な地位が生じないような)▽大きなリスクを避ける事業期間の短縮―などを列挙。さらなる発展のための課題では、路線数の増加対策(駐機場、ボーディングブリッジなど)、利用者数増加対策(駐車場、交通アクセス)、利用者の目線による高質なサービスの提供(ラウンジ、商業店舗の拡充など)を挙げた。
竹崎会長は「そのためには参加事業者に対し、地元としてどのような空港を目指すのか、期待することは何かをしっかりと伝え、官・民ともに『地元のために』という前提があるべき」と強調した。
また、高松空港と市内中心部との軌道系(新交通含む空港連絡鉄道)のアクセス整備について、将来的な検討課題とする意見にも触れた。
提供:建通新聞社