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日本工業経済新聞社(群馬)
2016/06/16

【群馬】利根川水系砂防事務所が16年度の事業概要公表

国土交通省利根川水系砂防事務所(神野忠広所長)は本年度の事業概要を公表した。事務所全体の予算は46億8100万円(前年度比1%減)と、前年度とほぼ同額。昨年6月に浅間山の噴火警戒レベルが2に引き上がったことを受け、浅間山直轄火山砂防事業では平常時対策と緊急時対策を並行して実施する。以前から続けている直轄砂防事業や直轄火山砂防事業、地すべり対策も推進する。
事業費の内訳は浅間山直轄火山砂防事業に13億2000万円(前年度比1%増)、直轄砂防事業に11億9500万円(同11%増)、直轄火山砂防事業に16億6100万円(同9%減)、地すべり対策事業に5億500万円(同額)。
浅間山直轄火山砂防事業は群馬県側が嬬恋村の片蓋川や濁沢、長野県側は小諸市の蛇堀川を中心に緊急減災対策を講じる。噴火により発生が予想される融雪型火山泥流、土石流への平常時対策として、コンクリートブロックなどの資機材を備蓄。緊急時にそれを使い砂防堰堤をつくり被害の軽減を図る。事業実施に向け現在、各関係機関と調整している。
直轄砂防事業では、片品村越本地区を流れる片品川で、流路護岸工L100mを計画。石張りを約1500uで行う予定で、根固めブロックを約60個使用する。
神流町などを流れる神流川では、柏木砂防堰堤の老朽化に伴う改良工事を実施する。魚道の改修と堰堤の損傷の修復を行う内容で、コンクリート打設を約800立方m行い、魚道や堰堤の表面を約1000uの石張りで仕上げる。工期は8ヶ月を見込む。両工事とも発注規模は1〜2億円を想定する。
直轄火山砂防事業では、草津町の谷沢川で谷沢川第5砂防堰堤の整備を続ける。管理用道路で落石防止のための法面対策工約600uを実施する。
地すべり対策事業では、藤岡市譲原地先に集水井1基を設ける、下久保集水井(C10)工事を行う。工事概要は集水ボーリング約840m、排水ボーリング約90m、掘削約30m、表面排水路約300m。1〜2億円の発注規模を見込む。
このほか同事務所災害対策室に設置している、50インチの液晶ディスプレイ10面(5列×2段)を更新する。管内に設置されたCCTVカメラの監視用で、現在更新後の配置を検討しているという。年内に入札を行う可能性が高く、発注規模は3000〜6000万円になる模様だ。