京都府は、宇治田原町湯屋谷地区の急傾斜の茶園を緩やかな傾斜に改良し再造成する。
関西電力南京都変電所の南側に位置する宇治田原町湯屋谷指柳の大福集団茶園が対象。
茶園造成後約50年が経過し、茶樹の老齢化による減収に加え、茶畑の傾斜度が20度前後の急傾斜地形で農作業効率が悪いため、再造成する計画。勾配を緩やかに改良することで、乗用摘菜機の導入が可能となり、生産性の高い茶園を目指す。地区面積は13・1fで茶園造成面積は10・6f。
府山城広域振興局農林商工部は27年度に湯屋谷地区土質調査業務としてボーリング調査等を綜合技術コンサルタントで実施。湯屋谷地区茶園造成実施設計業務を内外エンジニアリングで実施した。
今後の計画によると28〜31年度で茶園造成等を進め、31年度に換地業務を行う。
28年度は沈砂池の工事、造成等を計画。27年度補正で4000万円、28年度当初で4950万円を確保した。
29年度以降は4億5045万円を投じ、茶園造成を進めるとともに、暗渠工事などを行う予定。再造成後に新しい茶樹を植え、数年後の摘み取りを目指す。
地区内の雑木、茶木をチップ化し、ほ場のマルチ材に使用することでコストの低減を図る。宇治茶世界文化遺産登録推進プラットフォームと連携し、景観面での配慮や府が進める「お茶の京都」のフィールドとしての活用、地域住民等で組織する環境委員会で動植物の移転・観察等を行う。
総事業費は5億6400万円。農業競争力強化基盤整備事業として、国が55%、府が27・5%、宇治田原町が2・5%、その他(受益者)が15%をそれぞれ負担する。