山武郡市広域水道企業団は「九十九里地域末端給水事業体の統合に係る基礎調査業務委託」の公募型プロポーザルで、日水コン(千葉事務所・千葉市中央区本千葉町7―11)を最優秀提案者に選定した。九十九里地域末端給水事業体の事業統合に向けて、今後の進め方を検討するとともに、事業統合を中長期的及び包括的に検討するための基礎調査を実施する。委託期間は2017年2月28日。1000万円(消費税込み)を上限に委託契約を締結する。
九十九里地域末端給水事業体の統合の検討は、県が昨年9月に示した県内水道の統合・広域化の検討「県内水道の統合・広域化の進め方(取組方針)」に沿って実施している。
同企業団と長生郡市広域市町村圏事務組合水道部、八匝水道企業団、山武市水道課の4者で組織する「県内水道の統合・広域化の進め方に係る九十九里地域水道事業体会議」を本年度で立ち上げた。また、会議の下部組織として実務的な検討を行うための作業部会を設置。同会議は4月21日に第1回目を開催し、基礎調査の内容などについて審議。日水コンは今後、同会議に参加し必要な助言を行うとともに、構成市町村への説明も実施する。会議は来年2月末までに3回程度、作業部会を4回程度開催する。
統合に向けたスケジュールは、本年度で基礎調査を実施し、来年度で基本検討、基本計画案を策定。18年度でそれまでの検討結果を取りまとめ、実現の可否を判断する。実現の可能性があれば統合協議会を設置し、具体的な検討に入る。
一方、統合に向けては、県総合企画部水政課が「九十九里・南房総地域の用水供給事業体と県営水道の統合基本計画策定業務委託」の公募型プロポーザルを実施し、先月、日水コンを受託候補者に選定。九十九里・南房総地域の用水供給事業体と県営水道の統合に向けた基本計画を策定する。
基礎調査の主な業務内容は次の通り。
▽基本情報の収集・整理等=@業務統計(給水人口、用途別有収水量、1日平均給水量、1日最大給水量等)A財務統計(収益的収支、資本的収支、貸借対照表等)B施設諸元(施設能力、主要設備の仕様、経過年数等)C運転管理・維持管理情報(配水日報、保守点検・修繕の記録、漏水・破裂等の管路事故の記録、水質事故・その他の事故の記録、漏水調査等の各種調査報告書等)を含む各種情報の収集▽業務指標を利用した現状評価=@水質検査箇所密度、管路の耐震化率、技術職員率、料金回収率等を含む各種現状の評価▽予測に基づく将来の見通しと評価▽問題点の抽出と課題の把握▽目標の設定