アフター新幹線を見据え、名実ともに世界の「交流拠点都市」を目指す金沢市。都市政策局は、その実現に向けた戦略企画の中枢を担う重要なセクションでもあり、今年度は金沢の質をさらに高めるための検討や構想づくりを推進する。今年4月に就任した平嶋正実局長に各種事業について聞いてみた。
◇まず、金沢駅西広場隣接地への誘致を目指すインターナショナルブランドホテルの公募型プロポーザルの状況から。
「質問の受付が終了し、いよいよ13日から提案書を受け付ける。事業目的は駅西広場とその周辺における賑わいの拠点整備。説明会には多数の企業が参加し、関心が高いことがうかがえた。提案を受けた後、審査委員会に諮り、選定していくことになる」。
◇まちなかにおけるコンベンション機能のあり方を検討しますが。
「北陸新幹線開業以来、多数の会議や学会などが開かれているが、施設や機能が不足していないかを検討する必要がある。駅周辺では県立音楽堂やアートホール、まちなかでは文化ホールや金沢歌劇座、また周辺ホテルも例となる。まずは既存施設の活用を考えており、文化ホールの機能強化を図り、次にまちなかにおけるコンベンション機能のあり方を検討していく。7月にも懇話会を設置する予定だ」。
◇金沢大学工学部跡地への美術工芸大学の移転について。
「先般、知事が県立図書館の移転を表明した。大学施設はかなり老朽化が進み、耐震面の問題もある。それぞれの施設の配置については、ともにまだ具体的なものがないため、はっきりしない状況にある。今年3月に大学が提出した新キャンパス構想を踏まえ、年度内に基本構想を策定し、考え方を整理する。アクセス道路についても県・市間での協議となる」。
◇まちなかへの導入を目指す新しい交通システムは。
「先月31日に学識者や交通事業者らでつくる検討会の初会合が開かれ、具体的な議論が始まった。機種ごとの長所や短所、また様々な制約条件が出てくるので、慎重に検討していく必要がある。仮にどんな機種が導入されたとしても、今あるバス路線の再編をセットで行わないと、システムとして新交通を入れた意味がなくなる。一本の幹線交通を軸に、そこにアクセスしやすいバス路線をどう再構築するか、なかなか難しいと思う。高齢者をはじめとする利用者にとって、今より不便になってはいけない」。
◇改めて意気込みを。
「アフター新幹線を見据え、都市構想『交流拠点都市金沢』に向け、各種事業を積極的に進めていく。そのためには、都市政策局として庁内各課の連携に目配りしていくことが大事。調整しながら実践していく」。
ひらしま・まさみ 1958年1月17日生まれ。58歳。金沢大学法文学部卒業後、80年に金沢市に入庁。学校教育部長、福祉局長などを経て、今年4月から現職。