(一社)千葉県建設業協会の畔蒜毅会長をはじめ、小宮山房信氏、副会長の橋順一氏、石井良典氏、金城総円氏、専務理事の大林正章氏の三役一行は10日、県庁を訪れ、県土整備部の野田勝部長ら幹部と発注関係部署へのあいさつ回りを行った。先月開いた同協会の定例総会において「畔蒜新体制」が発足したことから、4月の野田・県土整備部長の就任時に引き続き、約2か月振りに改めて表敬訪問したもの。県土整備部会議室には野田部長をはじめ、伊藤稔・都市整備局長、吉田伸行・災害・建設業担当部長、行方寛次長、百瀬登展次長、鈴木勝次長、龍崎和寛次長、清水生也建設・不動産業課長と、前回と同じ顔ぶれが参集。畔蒜会長と野田部長により、それぞれ新体制となった同協会三役と県土整備部幹部陣によるフレッシュな顔合わせが実現した。
◇双方の新体制に期待 名刺交換などに引き続き行われた幹部同士の懇談では、まず畔蒜会長が「こういった新しいメンバーで地域のために取り組んでいくので、よろしくお願いしたい」とあいさつ。これに対して野田・県土整備部長は「本日はご丁寧にありがたい。こちらは前回(4月の就任時に)お見え頂いた時と(顔ぶれが)同じだが、この地域にとって重要な建設産業に対して、しっかりと中長期的な担い手対策も含めて、継続出来るようにと思っている。意見交換なども色々なかたちでさせて頂きながら進めていきたい」との考えを示した。
すると、畔蒜会長は「野田部長が話されたように、我々も担い手の人たちを如何に保護していくのかということになる。それには、通常予算の中でしっかりと予算を確保して、出来るだけ平準化発注に努めて頂ければと思う。県内全域において空白地域をつくってはならないことから、そういった面からも『均等ある予算』をお願いしたい」と要望。
◇一般紙や議会答弁/話題になることが 野田部長は「奇しくも今の話は、一昨日の県議会で『平準化発注と上半期執行について』の一般質問で取り上げられ、私も答弁させて頂いた」と述べたうえで「そうやって色々な場で話題になること自体が良いことだと思う」と弁。畔蒜会長も「昨日は一般紙などのマスコミ数社が協会に取材に来たことから、私の方もその辺を含めて話をさせて頂いた」と述べ、議会答弁やマスメディアを通した効果的な建設業のPRを示唆した。
◇当初予算が「本道」補正は「次善の策」 「みなさんは『大型補正』と言うが、我々としてはやはり、通常予算の中での予算獲得というのが本来のあるべき姿だと思っている」との畔蒜会長の指摘に対して、野田部長は「その点はおっしゃる通りである。本来は当初予算をしっかりと確保していくことが基本であり、補正予算はあくまでも『次善の策』として、やむを得ずの対応だと認識している」との見解を示した。
さらに「アイ・コンストラクション」に言及した野田部長は、その取り組みに向けて「県内地元業者のみなさんでも、技術力ではそれぞれ濃淡がある。一律で全部が一斉にとは中々行かないと思うが、遅れをとらないようにしっかり頑張っていきたい」との意気込みを示すとともに「そちらも含めて生産性の向上など、今日的な話題も是非是非と思っている」と述べ、情報交換等の実施を提案した。
◇地区ごとの解決で事務所と意見交換 一方で畔蒜会長は「我々の中でも都市部と過疎地域においては、土木に携わる担い手の方々には若干の温度差がある」と述べたうえで「その面から、地区ごとで解決出来るところは、各出先事務所と意見交換をさせて頂き、しっかり取り組んでいきたいと思うので、お力を拝借したい」と要望。
さらに、2020年の東京五輪・パラリンピックに言及した氏は「全体的にムードだけはあるが、現実的には国も県も当初予算は我々が期待したほどではなく、地域によっては遊んでいる状況にある」と指摘。「地方は特に公共依存度が高いことから、小さい業者の簡単なものからでも結構である。小さい業者は一番、直接作業員を抱えているので、出来るだけ早めに発注して頂ければ我々も助かる」と訴えた。
これらに対して野田部長は「ご指摘の通り、民間投資はともかく公共投資は別枠で増えている訳でもない。様々な方策を模索していきたい」との考えを示し、会談を終えた。