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日本工業経済新聞社(山梨)
2016/06/10

【山梨】県公共執行前倒し

 本年度の公共事業予算の前倒し執行について、後藤斎知事は9日の県議会代表質問への答弁で、「本年度当初予算額に前年度の繰越額を加えた528億円について、9月末までに約8割を契約済みとする、過去最高水準の目標を設定しており、前倒し執行に努めてまいります」と述べた。
 公共事業について後藤知事は、これまでも早期執行に努めてきたが、本年度予算については「現下の経済情勢を踏まえ、できる限り上半期に前倒しして実行することにした」と説明。対象事業については、維持修繕など年間を通して執行が必要となる県単独事業などを除いた事業とした。
 目標の達成に向けては「関係する部ごとに目標値を定め、実行的な執行計画を策定し、進捗管理を徹底するとともに、用地取得や関係機関との協議を速やかに進めることなどにより、前倒し執行に努め、地域経済への効果が早期に発揮されるよう取り組んでまいります」と述べた。
 代表質問で浅川力三議員(自由民主党)は、長年にわたる公共事業予算の削減で事業の進捗や新規事業の着手が遅れ、建設業界が厳しい経営環境にあることを指摘。
 そんな中、後藤知事が昨年度予算において、1997年度から17年間続いた公共事業予算の削減に終止符を打ち、本年度予算でも前年度と同規模の予算を編成したことは評価されるべきとたたえた。
 さらに、後藤知事が本年度は上半期に約8割の契約を目指すと明らかにしたことについて、「目標は昨年度と比べて約10ポイント高い数値で、予算の効果を県内経済に早期に発揮させるよう、前倒し執行を確実に進めるためには、例年にも増した取り組みが必要である」と強調。前倒し執行の対象事業や方法などを質した。
 県が4月末にまとめた執行目標は、対象予算528億円のうち424億円で、9月末の契約率は80・3%。前年度と比べると約10%の上乗せ、69億円程度の増額。