第9回香川県ため池耐震化整備検討委員会(委員長・毛利栄征茨城大学農学部教授)が3日に開かれ、県内7市2町・23池のため池耐震点検調査結果を検討した。このうち堤高10b未満の一宮池(高松市)、宝憧寺池(上池)(丸亀市)、鷹の子池(三豊市)と三ツ子石池(三木町)の4池のほか、堤高10b以上で大池(高松市)、堤池(丸亀市)、野々池(観音寺市)、花の山池(さぬき市)、奥ノ堂池(三木町)、大谷池(綾川町)、朽木大池(綾川町)の7池の計11池が国の現行基準である安全率1・2に届かないとして、総合的に見て耐震化補強工事が必要との判断を示した。11池について県農政水産部は、2016年度中に耐震工法や工事費などを盛る基本計画を作成し17年度以降の耐震補強の実施設計と工事着手に備える。
県は、堤高10b未満のため池の▽坂瀬池▽一宮池▽野田池▽宮池▽新池(以上高松市)▽宝憧寺池(上池)▽宝憧寺下
池(以上丸亀市)▽村上池(善通寺市)▽明神池(さぬき市)▽鷹の子池(三豊市)▽三ツ子石池(三木町)▽大池(綾川町)―の12カ所でボーリングなど耐震点検調査を実施。今回の検討委に安定解析等の結果を提示した。
また、防災上重要度の高い堤高10b以上のため池として▽公渕池▽大池(以上高松市)▽堤池(丸亀市)▽新池▽奥池(以上坂出市)▽野々池(観音寺市)▽船原下池▽花の山池(以上さぬき市)▽奥ノ堂池(三木町)▽大谷池▽朽木大池(以上綾川町)―の11カ所で国の現行基準での安定計算に加え、南海トラフを想定した長時間地震動に対するため池の堤体の強度低下を考慮した解析結果を示した。同検証では「南海トラフを想定した地震動に対して堤体は直ちに決壊に至るような大きな強度低下を示さない」ことも確認できた。
東日本大震災でため池の決壊による甚大な被害が発生したことから、県では南海トラフ地震などに備え、11年度から貯水量10万d以上の大規模ため池137カ所を対象に、耐震点検調査を実施している。これまでに106カ所について整備検討委での検証が終了し31カ所が残る。
整備検討委の総合判断で耐震化補強が必要と判断されたため池は今回分を含め36カ所。順次耐震化が進められている。
第9回検討委で耐震化補強工事が必要と判断された、ため池の概要は次の通り。
【堤高10b未満】
▽一宮池(高松市)―堤長343b、堤高9・6b、貯水量19・6万d▽宝憧寺池(上池)(丸亀市)―堤長720b、堤高4・1b、15・5万d▽鷹の子池(三豊市)―堤長200b、堤高5・9b、11万d▽三ツ子石池(三木町)―堤長476b、堤高7・2b、36・2万d
【堤高10b以上】
▽大池(高松市)―堤長145b、堤高12・8b、14・2万d▽堤池(丸亀市)―堤長249b、堤高11b、20・1万d▽野々池(観音寺市)―堤長313b、堤高12・1b、18万d▽花の山池(さぬき市)―堤長75b、堤高19・2b、20万d▽奥ノ堂池(三木町)―堤長175b、堤高11b、16万d▽大谷池(綾川町)―堤長267b、堤高15・6b、53・6万d▽朽木大池(綾川町)―堤長100b、堤高11・7b、17・2万d
提供:建通新聞社