国宝光明寺(綾部市睦寄町君尾1−1)で二王門の修理事業が平成28〜30年度の3ヵ年で計画されている。
光明寺は真言宗醍醐派の寺。二王門は三間一戸、入母屋造の二重門で、屋根は栩葺。昭和25〜27年の解体修理で建築年代を記した棟札が見つかり、鎌倉時代のものと判明。鎌倉時代に二重門の構造を持つ建造物は大変貴重であったため、修理完成後の昭和29年に国宝に指定された。京都府北部の建造物では唯一の国宝で、綾部市観光の見どころの一つに位置付けられている。
昭和25〜27年の解体修理から60年余りが経過し、屋根及び漆の劣化が目立つようになったため、国(文化庁)・京都府教育委員会(文化財保護課)・綾部市・所有者(光明寺)ともに修理の必要があるとし、修理に向けて現地確認等の作業を進めていた。
修理内容は、屋根の全面葺き替えと全面塗り直し。平成28年度は設計、覆屋(素屋根)設置、屋根めくり、29年度は本体工事(塗装、屋根葺き)、30年度は本体工事、覆屋撤去を予定しており、28年度の工事は9月頃の着工を予定している。
国は修理に必要な経費への補助と国宝修理の指導監督、府は所有者の代行として国宝修理業務の実質上の遂行、綾部市は修理事業への取組・協力、所有者(光明寺)は所有者及び事業の主体者として修理事業への取組、修理後の保存管理・活用への対応を行う。
今月1日には国宝光明寺二王門プロジェクト実行委員会(18団体・個人で構成)が設立された。修理事業への協力体制を確立するとともに、国宝光明寺二王門を広くPRし地域の活性化を図る。綾部市は同プロジェクトを支援するため、6月補正予算案に150万円の補助費を新規計上した。