四国地方整備局と管内4県の土木部長らによる「春季四国地方ブロック土木部長等会議」が2日、高松市のサンポート合同庁舎内で開かれ、品確法運用指針のフォローアップ、ICTの全面的な活用や地域のインフラを支える地域の建設企業の育成―の3点について意見を交わした。同会議は、国土交通省の施策について意見交換し課題や取り組み状況を共有するもので、年2回開催されている。国土交通省からは本省の池内幸司技監をはじめ、四国地方整備局の石橋良啓局長ら幹部。管内からは開催県の天雲俊夫香川県副知事や四国4県の土木部長らが出席した。
品確法運用指針のフォローアップ(指標および目標の設定)では、例えば歩切りの撤廃により管内で「ゼロ」となったなど、各自治体が改善状況や全国の中での立ち位置を確認するための分かりやすい指標や目標を設定するため、品確法運用指針のうち重点項目の▽予定価格の適正な設定▽適切な設計変更▽発注者や施工時期の平準化―の主に3点を中心に全地域発注者協議会で指標案を検討し、ことしの夏ごろをめどに指標を決定することを確認した。指標決定後は協議会などで自主評価しつつ、必要な連携と支援を実施し管内市町村のボトムアップを図る。
ICTの全面的な活用では、生産性向上による企業の経営環境の改善や魅力ある建設現場の達成、死亡事故ゼロを目指した安全性の飛躍的向上などの「i−Construction」の目指すものを情報共有。国土交通省直轄事業の中で、まず施工規模や安全面などで効果のある先行実例を収集していくことが重要との認識で一致した。各県からは橋梁他の点検分野など近接目視できない箇所でのUAVの積極的な活用の検討(徳島県)や、受発注者が検査関係の書類を縮減できるなど、効果に期待を寄せる(香川県)意見もあったという。
地域のインフラを支える地域の建設企業の育成では、非常時に迅速かつ的確に施工できる建設企業の能力(一定規模の人員・資機材の体制含む)や、地域での施工実績、災害時の初動対応体制の有無、地域精通度などを視点とする適正な評価について議論。BCPの重要性を共通認識として持ち、災害協定締結や災害時の活動実績などの指標を総合評価方式の中で評価する各県の取り組みについて情報共有した。この中では地域の精通度をきめ細かく見ていくことや、企業の従業員の数、建設機械の保有状況(購入)を指標に加えている評価方法のほか、今後指標として検討する意見が出された。
提供:建通新聞社