日本工業経済新聞社(群馬)
2016/06/06
【群馬】県東部農業2016年度県営事業の概要
県東部農業事務所農村整備課(中村均課長)は、本年度の県営事業概要を明らかにした。本年度当初時点での総事業費は、昨年度補正予算の繰り越し分と合わせ3億5046万3000円とした。太田市世良田地区の農地整備事業で、区画整理工事2件を上期中に発注する。また、みどり市大間々町の大間々用水トンネル改修と太田市大久保地区の排水路整備で、それぞれ実施設計を行う。
これまで同事務所の主要事業として大きく工事を進めてきた世良田地区では、事業の終盤を迎えるほか、大間々用水のトンネル改修や大久保地区の排水路整備は来年度着工を目指していることから、本年度は事業の谷間となった。
そうした中で、世良田地区には事業費1億2600万円投じる。C工区9haでの区画整理工事を東西に2分割し、上期中に指名競争入札で発注する。
約70haの農地整備を計画した同地区は、A工区、B工区と工事が進み、尾島第二工業団地の南に広がるC工区を残すのみ。来年度予算か本年度の補正予算で補完工事を実施し、ほぼ完了する。また、同地区で進めてきた滑川排水路L1・2qの改修は、昨年度に発注した工事を繰り越して実施しているところ。一部で工事が残っており、調整が行われている。
昨年度から開始された大間々用水のトンネル改修事業は、7月ごろに設計を発注する。同事業は、みどり市大間町下神梅を流れる水路L490mの老朽化対策。渡良瀬川沿いを走る国道122号の山側に、1962年に整備された素掘り水路があり、内部にコルゲート管が入っている。
改修は、同用水の6号、7号、8号と呼ばれる区間で、暗渠部L400m、開渠部L90mが対象。暗渠部は、岩石内に掘られたH1400o、W1200oのトンネルの内面の成形とコンクリートの覆工を計画している。開渠部はH700o、W900o、土砂や枯れ枝の落下を防止するために蓋を設置予定。昨年度に地質調査などを実施しており、来年度の工事開始を目指し、本年度の設計で仮設工法の検討も行う。
大久保地区は、約125haを対象に調整池5カ所、排水路L8・4qの整備工事や農道舗装を計画中。7月中にも設計を発注する。対象が広いため東西に分けて事業を進める方針で、来年度の着工に向け、本年度末までにどちらから開始するかを決める。全体事業費は3億9200万円を試算している。
同地区がある太田市薮塚地域は、排水を担う河川がなく大雨が降ると湛水被害が発生している。宅地化も進んだため、あふれた雨水が農地や道路、宅地まで及んでいる。
現時点での計画では、道路に排水路(U字溝)を整備しつつ、5カ所に新設した調整池に雨水を集め地下浸透を図る。さらに未舗装の農道も多いことから、舗装工事を行う。全体事業費は4億8500万円を見込んでいる。
このほか、基幹水利施設管理事業(渡良瀬中央地区)の太田頭首工管理に3709万4000円を措置。調査計画では、大間々用水の上流部にある深沢川頭首工で、昨年度からの調査を継続する。