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北海道建設新聞社
2016/06/06

【東京】都 泉岳寺駅地区再開発で事業化調査

 東京都都市整備局は、都営浅草線泉岳寺駅の改良に併せた駅周辺のまちづくりで、事業計画の取りまとめや権利者の合意形成に向けた調査を開始する。モデル的に作成した基本計画や事業スケジュールの再検証を進めながら権利者の意向調査を実施するなどして、都施行による市街地再開発の具体化を目指す。地元の意向を踏まえつつ事業計画を作成し、2017年度に都市計画決定したい考えだ。特定建築者制度を利用して建物の設計や施工、保留床処分を民間事業者に委ねる方針。事業認可後に公募・選定手続きを行い、18〜24年度で施行する計画だ。
 泉岳寺駅(港区高輪2ノ16ノ34)は、島式2面のプラットホームの幅が5bと狭く、ラッシュ時の混雑が大きな課題となっている。
 近接する品川駅周辺では、JRがリニア中央新幹線の新駅と、品川駅と田町駅間の新駅を開設するとともに、車両基地跡地での「品川駅周辺地区土地区画整理事業」の計画を打ち出している。国際交流拠点として大規模なまちづくりが動き始めており、泉岳寺駅の利用者もさらに増えることが見込まれている。
 そこで、安全確保と利便性向上を目的にホームを拡幅し、駅舎を大規模改良する。
 既存の駅舎は国道15号の下に位置しているが、国道の空間内だけではホームの拡幅が難しい。そこで、道路の東側に面した民有地を含む市街地整備を、都施行による再開発事業として駅舎整備と一体的に実施する。都が施行区域内の建物・土地などを買収して保留床を処分する「第2種市街地再開発事業」の手法を採用し、建物の設計や施工、保留床処分は特定建築者に委ねることを想定している。
 事業化に先立ち、再開発の基本計画や資金計画、管理処分計画、鉄道駅区分地上権の設定、スケジュールといった事業計画について、都交通局が15年度にまとめたモデルを再検証する。併せて権利者への説明会や意向調査を実施し、まちづくりへの合意形成を図るとともに、建設する建物に配置する機能や規模などを固めていく。
 16年度末までに成果を得て、17年度に都市計画を決定。18年度に事業認可を得て特定建築者を公募選定し、24年度中の完成を視野に施設整備を進める。
提供/建通新聞社