日本工業経済新聞社(茨城)
2016/06/01
【茨城】橋本県知事が鬼怒川対策など中央要望
橋本昌県知事は30日、都内で2017年度における国の施策および予算に関する提案・要望説明会を開き、本県選出の国会議員に対し、新規2項目と一部新規12項目を含む全31項目について説明するとともに、実現に向けた支援・協力を仰いだ。このうちハード関係では、関東・東北豪雨からの復旧復興に係る堤防整備などの加速化や港湾整備、東関道水戸線および直轄国道の整備促進などを求めた。
この説明会は、東日本大震災や関東・東北豪雨災害からの1日も早い復旧・復興を図るとともに、新しい県総合計画「いばらき未来共創プラン」で掲げた「みんなで創る 人が輝く 元気で住みよい いばらき」の実現に向けた取り組みを推進する上で必要となる政策・制度の創設など、国の施策および予算に関する提案・要望について説明するとともに、意見交換を行い、実現に向けた支援・協力を求めるもの。
提案要望のうち、関東・東北豪雨災害からの復旧・復興では、鬼怒川緊急プロジェクトにおける堤防整備や河道掘削などのハード対策の加速化、住民の主体的な避難を促すソフト対策の速やかな実施、半壊世帯への支援対象拡大や被災中小企業への金融支援継続などを求めた。
活力あるいばらきづくり関係では、圏央道の早期開通、東関道水戸線・直轄国道の整備促進など高規格幹線道路ネットワークの早期構築や、常陸那珂港区の中央ふ頭12m岸壁や防波堤、鹿島港防波堤の早期整備をはじめとする港湾の整備。県北地域地域の振興に向けた道路交通網整備の財源確保、茨城空港施設強化への助成、農業農村整備事業の財源確保などを盛り込んだ。
新規では、観光地域づくり推進体制の強化に向けた支援充実として、日本版DMO候補法人への人材確保に関する国の支援などを求めた。
住みよいいばらきづくり関係では、ダム事業で霞ヶ浦導水事業、八ツ場ダム建設事業、思川開発事業の推進を要望。ラムサール条約湿地涸沼では、水鳥・湿地センターの整備、自然環境の保全および賢明な利用促進、霞ヶ浦・北浦の環境保全対策強化では、湖内対策・流出水対策などの推進、高度処理型浄化槽設置促進に向けた予算確保を盛り込んだ。
神栖市におけるヒ素対策では、緊急措置事業の継続、安全基準の指針値策定、地下水モニタリング継続など。新規では、地域公共交通維持確保に向けた、バス・鉄道事業者への支援予算確保などを求めた。
議員側から東関道水戸線と圏央道の状況について聞かれると、東関道水戸線については「今後、早期開通に向けて有料道路事業の導入を要望していくので、ご支援をお願いしたい」、圏央道については「北関東自動車道や磐越が4車線化されていることから、一番東京に近い圏央道についても、4車線化に向けた整備の推進を要望していく」と回答。
つくばエクスプレスの延伸状況については「国の交通政策審議会答申に、東京駅延伸などが位置付けられた。今後、関係都県との合意形成を進めるとともに、首都圏新都市鉄道の需要予測調査の状況などを聞きながら、この答申の実現に取り組んでいく」と話した。