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日本工業経済新聞社(群馬)
2016/06/03

【群馬】前橋市が下水道ビジョンを策定

前橋市は、下水道の安定した事業運営を目的とした下水道ビジョン案を公表した。同案では下水道施設と管渠を統合した、総合的なストックマネジメントを策定することや、現在進めている耐震化を2020年度までに完了させることが盛り込まれている。現在7月1日までを期限にパブリックコメントを募集している。
同案は17〜31年度までの15年間を事業期間とする。安定した事業運営ができるようソフト・ハード両面で事業の方向性や実施施策をまとめる。「効率的な新規整備」「効率的な再構築」「現実的な防災・減災対策」の3つを基本方針に掲げ、それぞれで具体的な施策を盛り込んでいる。
「効率的な新規整備」では◇維持修繕計画を含めた事業計画の策定◇10年概成を目指したアクションプランの策定−の2つの施策を予定。このうち維持修繕計画を含む事業計画の策定では、昨年度に維持修繕に関わる事業計画を策定しており、その計画を基に進めていく。機能維持に関する中長期的な方針については、前橋水質浄化センターの再構築の長期化が予想されるため、これから具体的な検討を行う。
10年概成を目指したアクションプランの策定は、汚水処理体制の概成を国が求めていることを受け作成するもの。現在の汚水処理人口普及率は約90%となっており、さらに普及率を向上させるため、未整備区域を効率性や必要性、整備順位を見直し、10年間での完成を目指したプランを新たに策定する。
「継続的な再構築」では◇長寿命化計画の確実な実施◇総合的なストックマネジメントの策定−の2つを実施施策として盛り込んだ。
現状、管渠と処理場などの下水道施設の2つに分けて長寿命化計画を策定済み。管渠については、18年度までを期限に、下水道施設は17年度までを期限とした計画を推進している。そのため、18〜19年で管渠と下水道施設の総合的なストックマネジメント計画の策定に取り組む。
「現実的な防災・減災対策」では、改築を考慮した耐震化を実施施策としている。市は、13年に下水道総合耐震化計画を策定。20年を期限に、国道17号や国道50号などの緊急輸送路に埋設された管路1・8qのほか、天川ポンプ場からの圧送管2qの耐震化を進めている。また、重要な処理場やポンプ場で耐震診断を実施し、減災対策も実施する。
パブリックコメントの募集は7月1日まで行い、8月ごろまでに下水道ビジョンを公表する見通し。