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鹿児島建設新聞
2016/06/02

【鹿児島】鶴丸城跡保全整備 御楼門部を来月にも着手

 県は、鶴丸城跡保全整備事業を計画。御楼門部の石垣は、解体や取り替え、積み直し等は行わない予定としている。今後、史跡の現状変更許可の手続きや工事の発注準備等を進め、7月ごろから工事着手予定。また、御角櫓の整備では近く、基本設計を委託する。 
 同事業はこれまで、石垣の修復に向け、必要な調査・測量(実測)等を検討するため城郭石垣や考古学、地質学、保存科学等の専門家で構成する「鶴丸城跡保全整備に係る専門家検討会議」を設置。1月に石垣の整備方針や具体的な工事内容を報告書にとりまとめた。 
 整備方針は、工法等の劣化の状況等により個別に判断し、最小の修復範囲で現状保存を優先。石垣の上部にある石堀は撤去(藩政期ではなく、後年に造られたもの)。雨水・地下水等の影響とみられる劣化の対策は、排水溝等の機能を回復させる。 
 修復に向けた取り組みは、石垣の清掃や新石材による表面処理、保存化学処理等を実施する。 
 このほかの部分で北側門周辺は、15年6月に石垣が一部崩落したが12月までに応急工事を実施。16年度に修復工事に係る事前調査を予定。 
 市道易居草牟田線沿いの隅欠け部(緊急性の高い個所)は、優先度を考慮して今後、修復工事を行う。 
 黎明館西側は、御角櫓の建設に伴って修復が必要な個所は、16年度に事前調査・測量等を委託する。 
 また、御角櫓のスケジュールは17年度、実施設計の策定、埋蔵文化財発掘調査、記念碑等移設、18年度から本体工事に着手し19年度に御楼門と同時期の完成を目指す。