国土交通省と近畿2府5県・政令市の土木部長らによる2016年度春季近畿ブロック土木部長等会議が5月31日に神戸市内で開かれた。今回は、品確法運用指針の各自治体の実施状況をフォローアップするため、「予定価格の適正な設定」「適切な設計変更」「発注・施工時期の平準化」の3項目について、意見を交わした。国交省は、自治体の意見を踏まえ、今夏をめどに統一的な指標を定める予定で、それぞれ数値化する形での指標設定を目指す。
品確法運用指針は、品確法の改正(担い手三法)に伴い15年1月に策定。必ず実施すべき事項と実施に努める事項の全10項目を定め、これまでに10項目中「歩切りの根絶」を達成したとしている。引き続き、建設業界からの要望も強い、「予定価格の適正な設定」「適切な設計変更」「発注・施工時期の平準化」の3項目を重点的に取り組むこととし、達成に向け発注者(自治体)が目安とできる目標(指標)を定める。
府県の担当者からは、「適切な設計変更の指標設定に当たっては、建設業者からのデータも必要ではないか」「工種の違いも考慮すべきだ」といった意見が出されたようだ。
会合ではこのほか、▽ICTの全面的な活用(ICT土工)▽地域のインフラを支える地域の建設企業育成―について国交省が説明。ICT活用では、先行事例として、滋賀県が測量、設計、一部施工において、3次元データを活用している取り組みなどの報告があった。
府県側からの議題では、「空き家対策」「社会資本整備総合交付金の要望額と配分額の乖離」について議論された
国交省の池内幸司技監は、「運用指針策定から1年が過ぎ、フォローアップする時期に来ている。ICT活用は少子高齢化にあって現場の生産性を上げるための大切な取り組みの一つだ」とし、指標設定と合わせて積極的な協力を求めた。
提供:建通新聞社