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日本工業経済新聞社(群馬)
2016/06/01

【群馬】片品村が児童館を新設

片品村は本年度、鎌田地内に児童館を新設する。本年度の当初予算に工事費1億9270万円を盛り込んだ。国からの補助金交付が決まれば今月中にも工事を発注し、来年4月の供用開始を目指す。建設地は片品小学校近く。施設内は吹き抜けにし、壁材には村産材を使用。深夜電力を利用した暖房設備を導入するなど、維持管理コストの縮減にも配慮された施設となっている。
児童館は役場から近く、昨年度完成した片品小学校の村道を挟んだすぐ南側に建設する。以前は歯科や公舎が建っていたが、この春に解体した。東側には村のトレーニング施設がある。
工事を発注する準備はほぼ整っていることから、国からの補助金の交付が正式に決定すれば、すぐに入札を行う。現在の見通しでは今月中に指名競争入札を実施する可能性が高い。
敷地面積は1094・93u。施設規模はW造の一部2階建て、延べ床面積693・81u。昨年度にプロポーザル方式で実施設計を石井設計(前橋市)に委託していて、先月設計が完成した。
工期は8カ月を見込んでおり、来年度からの供用開始を予定している。学童保育の場としても利用するため、春休みから試験的に使用することも検討しているという。
玄関は西側に配置。室内は板張りにする。1階には事務室や図書室、遊戯室、幼児室を設け、遊戯室と幼児室はつなげる。2階は3分の1ほどを吹き抜けにして自然の光を採り入れる。調理や学童保育を行う学習室も造る。トイレは各階に造るが多目的トイレは1階のみ整備する。
壁材などには昨年学校林から切り出した樹齢約60年の木材を使用する。遊戯室と幼児室の壁は全面板張りにする考え。小学校との調和を考え外観は木の風合いを生かす造りにする。
暖房設備には深夜電力を利用した地中蓄熱方式の輻射暖房を取り入れる。空調も併用する考えで、室内機を各部屋に取り付け、室外機は建物の東側にまとめて置く。エレベーターは設置しない。
外構工事では、玄関前に車数台が置ける駐車場をアスファルト舗装で整備する。敷地を囲むように村道が走っているため村は、自動車が通り抜けできないよう対策を講じる方針。今後施工業者と相談して工法などを考える。
小学校やトレーニングセンターが隣接しているため大きな遊具は置かず、既存の防火水槽の近くに砂や人工芝を敷いた簡易的な遊び場を設ける。
降雪の際に雪を置いておけるような場所がないため、屋根は雪を乗せたまま溶かせる仕様にする。
村は小学生だけでなく小さな子どもから高校生まで幅広い年齢層が利用することを期待する。2階の調理室については、子どもと地域の高齢者との交流の場として使用するという。