日刊建設工業新聞
2016/06/01
【鳥取】県土整備部 道路法面の緊急点検結果発表
島根県で発生した落石事故を受け、県土整備部が道路の法面を緊急点検したところ、応急仮工事が必要な69カ所が見つかった。同部は「今後、落石の恐れがある」(道路企画課)とし31日、各県土整備事務所と局に応急対策の実施を指示した。
5月4日、島根県邑南町で走行中の車に落石が直撃し、乗っていた女子大学生が死亡。事故後、同部は10日から25日にかけて県管理の国道・県道を緊急点検していた。
点検対象は2012年4月の防災点検で「要対策」となっていた376カ所の法面。各県土の職員が現地踏査して不安定な浮き石や岩盤クラックなどの有無を調査し、このうち17カ所は点検時に浮き石を叩き落とすなどして対応した。
点検結果は応急仮工事が必要な69カ所を確認。うち県道智頭用瀬線(鳥取市用瀬町赤波)など45カ所で危険な浮き石などが発見され、早期に維持工事業者を通じて大型土のうや仮設防護柵を設置する。
また、国道179号(三朝町木地山)など24カ所では、交通規制を敷いて担当の維持工事業者に浮き石の撤去を要請する。
これら69カ所のうち、智頭用瀬線など4カ所は早期対策が必要とし、17年度当初から抜本的な対策工事に着手できるよう検討するという。
このほか、法面の上部が急斜面で点検ができなかった国道482号(若桜町茗荷谷)と、進行が進んだ岩盤クラックが見つかった県道倉吉福本線(三朝町福本)など2カ所の計3カ所の法面については、コンサルタントに委託して詳細調査を実施。その上で必要な対策を手当てする。
緊急点検の結果は31日、開かれた県議会地域振興県土警察常任委に報告した。今後の対応について、県道路企画課は「定期パトロールによって要対策カ所の監視を継続する」と話しており、落石対策工事の促進と併せて未然に事故を防止する。