日本建設業連合会(日建連、中村満義会長)と国土交通省四国地方整備局(石橋良啓局長)や四国4県などとの公共工事の諸課題を話し合う意見交換会が25日、高松サンポート合同庁舎で行われた(写真)。日建連からは宮本洋一副会長・土木本部長のほか、土木本部や四国支部の風間優支部長ら役員が出席。発注機関からは四国地方整備局の石橋良啓局長や同局幹部のほか、水資源機構や四国4県、NEXCO西日本四国支社の幹部が出席し、適切な工期の設定と工程管理、建設現場の生産性向上の二つを主要議題に意見を交わした。
担い手の確保の「適切な工期設定と工程管理」で、日建連は工期に関する条件明示の徹底と工程情報の開示の取り組み拡大を求めた。また、クリティカルな工程情報の共有化と試行工事の成果の拡大に加え、完全週休2日制を目指した休日の確保についての取り組みも要望した。この中でクリティカルな工程情報の共有化と的確な工程管理で四国地整は、前年度末から試行を拡大しており、「効果検証を行いつつ今後も継続する」と約束した。
四国地整では受発注者双方でクリティカルな工程情報を共有化することが問題意識の共有と迅速な対応につながると認識。「工程管理情報共有化」の取り組みを一部工事の試行から一般土木(A等級)、鋼橋上部工、PC上部工の全工事を対象に、その他可能と判断される工事にも前年度末から試行拡大している。2016年度は四国地整で合計33件で実施する予定。
建設現場の生産性の向上では、国交省が打ち出した「i−Construction」を歓迎し、日建連も「生産性向上推進要綱」を作成するなど、会員各社挙げて生産性向上に取り組むと表明。その上で現場打ちコンクリート工の生産性向上で、機械式鉄筋定着工法、機械式継手工法や高流動・中流動コンクリートなどの各工法を採用しやすい環境整備に加え当初設計からの反映を要望。プレキャストの導入促進、ICT活用に向けた3次元データの導入や書類の削減など受発注者の負担軽減も併せて要望した。
四国地整ではこのうち現場打ちコンクリート工やプレキャストの導入推進に対しては「積算、設計基準や採用条件などの整備が必要だ」として、今後、本省設立の「コンクリート生産性向上検討協議会」の検討結果を踏まえ他地整とも情報共有しつつ、採用を検討すると回答した。
提供:建通新聞社