日本工業経済新聞社(茨城)
2016/05/18
【茨城】県内の当初予算概況まとめ/普通建設事業費4%減
県市町村課はこのほど、本年度の市町村当初予算(普通会計)の概況をまとめた。県内44市町村のうち、骨格予算の常陸大宮市を除く43団体の当初予算規模は1兆1302億1900万円で、対前年度比1・6%(173億8600万円)の増。普通建設事業費は1863億9700万円で、前年度比4%(77億700万円)の減となったが、行政庁舎の建て替えなどにより、単独事業は62億8200万円増加した。
復旧・復興分を除いた43市町村の当初予算規模は、1兆974億4900万円で、前年度に比べ2・3%(244億6700万円)増加。予算規模が前年度比で増加しているのは23市町村で、復旧・復興を除くと25市町村となる。
本年度当初予算の特徴としては、歳入面において、地方消費税交付金が税収見込みの増により11・6%(50億1800万円)増。地方交付税のうち震災復興特別交付税は、被災した行政庁舎の建て替えや東日本大震災復興交付金を活用した事業の実施などにより、10・8%(14億1500万円)増えた。国庫支出金は、小中一貫校建設事業の増加などに伴い、2・3%(36億4700万円)のプラスとなった。
また、財政調整基金からの繰入金が22・7%(52億6700万円)の増となっており、必要な財源を基金の取り崩しにより補填する厳しい状況が続いている。
歳出面は、普通建設事業費が全体で77億700万円減少。このうち単独事業は、被災・老朽化した行政庁舎の建て替えなどにより増加したが、東日本大震災からの復旧事業の進捗などにより補助事業が13・6%(139億4100万円)の減となった。
このほか補助費等は、一部事務組合の施設更新に伴う負担金の増などにより、4・9%(47億2600万円)増えた。
県は「今後も高齢化や人口減少などにより、市町村の行財政運営は厳しい状況が続く見通しであり、老朽化した公共施設の更新費用や社会保障関係費などの増加への対応などに迫られることが見込まれる」とした上で「引き続きゼロベースの視点に立った事務事業の抜本的な見直しを図るとともに、自主財源の確保、公共施設の統廃合など徹底した行財政改革に取り組み、財政運営の健全化を強力に推進していく必要がある」と、今後取り組むべき対応策を示した。