日本工業経済新聞社(茨城)
2016/05/17
【茨城】耐震化60億円、老朽化更新48億円など企業局の事業計画
県企業局は、2016年度の事業計画をまとめた。本年度は、老朽化施設の計画的な改築・更新、耐震化対策や工業団地への企業誘致を推進する。本年度当初予算では、老朽化施設の改築・更新に48億7700万円、耐震化対策に60億8900万円を盛り込んだ。県南西広域工業用水道事業の連絡管整備では、1工区の実施設計に着手。つくば明野北部(田宿地区)の土地造成事業も進めていく。
当初予算の収益的支出に前年度比2・9%減の307億4415万2000円、資本的支出には前年度比23・3%減の241億3098万3000円を配分して、各事業を展開していく。
本年度の重点取り組み方針には@計画的かつ効率的な事業展開により、経営基盤の強化を図るA老朽化施設の計画的な改築・更新、耐震化対策を推進するB災害の発生に備えた危機管理対策の強化を図るC工業団地への企業誘致を推進する―の4点を設定。
このうち、老朽化施設の計画的な改築・更新に48億7700万円を計上。霞ヶ浦浄水場U期改築工事で、粒状活性炭ろ過池機械設備工事などを実施する。
本年度から3カ年で更新工事を行う水戸浄水場と那珂川浄水場では、本年度に中央監視制御設備更新工事などに取り掛かる。予算額は水戸浄水場が8億円、那珂川浄水場が4億円。関城浄水場では、中央監視制御設備更新の実施設計を策定する。
管路の更新(耐震化)事業は12年度から着手。24年度までに約323qを更新する。12年度の着手時に上水54%、工業用水30・4%の計44%だった耐震化率を24年度の事業後は上水74・4%、工業用水を59・7%の計68・2%まで引き上げる。全体事業費は約640億円で、事業費ベースにおける15年度末の進捗率は24・8%。本年度の予算額は60億8900万円。
危機管理対策強化には2億9600万円を配分し、広域水道事業間の緊急連絡管整備に取り組むほか、企業局施設の浸水想定箇所について詳細な予防対策を検討する。
工業団地分譲では、阿見東部と江戸崎で、それぞれ地元市町と連携し、積極的な企業誘致を図るほか、つくば明野北部(田宿地区)の工業団地整備を進める。
つくば明野北部(田宿地区)は、筑西市田宿、松原、猫島地内に整備するもの。計画面積31・1haを工業用地22・2ha、調整池2・9ha、緑地等5・2ha、道路0・8haで利用する。
事業期間は15〜17年度の3年間で、全体事業費は58億2000万円。用地取得および造成工事などは県開発公社に委託し、早期分譲に向け諸般の手続きを進める。本年度から造成工事に着手する予定。
計画的かつ効率的な事業執行による経営基盤の強化には2億3000万円を配分。工業用水道料金を最大で3割程度引き下げるほか、新たな浄水処理手法の実用化に向けた取り組みを推進する。
新たな浄水処理手法については、オゾンを使用した促進酸化処理と帯磁性イオン交換樹脂処理の採用を決定。本年度は厚生労働省の事業認可を受けるための手続きを行うとともに、施設の基本設計に着手。建設工事は18年度から着手し、21年度からの供用開始を目指す。
また4月に県西と県南の広域工業用水道事業を統合したことに伴い、連絡管の整備を推進する。この事業は、県西工水(水海道給水系)で企業からの新規契約や増量の要望が多く、需給が逼迫してきていることから、水量に余裕のある県南工水と統合し、水融通を可能とするもの。
工事は2工区に分けて計画。県南工水から水海道給水系への接続(つくば市境松〜つくば市真瀬)を1工区、水海道給水系内の接続(常総市相野谷町〜常総市豊岡町)を2工区とする。概算工事費は総額約22億3000万円(1工区=約12億5000万円、約2工区=9億8000万円)。
第1工区の整備延長は新設(φ400)延長4・7q、既設管更新(φ150→400)延長2・0q。第2工区の整備延長は、新設(φ300)延長2・5q(水海道大橋添架L0・4q)。
昨年度内に1工区と2工区それぞれのルートを含めた基本設計の策定を完了。本年度は1工区の実施設計に着手する予定。