県総務部市町村課は27日、県内市町村の2016年度当初予算(普通会計)の概要を明らかにした。それによると、市町村の予算総額は過去最大の2兆1754億3200万円で、前年度比226億3900万円増(1・1%増)と8年連続の増加となった。予算総額が前年度比で増額した団体は32団体で、うち13団体が過去最大。一方、大型建設事業の終了などにより、22団体が前年度より減少した。
歳出は、投資的経費が2735億7800万円で前年度比10・6%減、義務的経費が1兆872億1700万円で同3・9%増。投資的経費は災害復旧事業費の大幅な減などにより3年ぶりに減少、義務的経費は扶助費などの増加などにより4年連続の増加となった。
投資的経費のうち、普通建設事業費は2700億8100万円で同1・4%減。補助・単独の別では、補助事業が1025億5000万円で同11・4%減、単独事業が1671億5500万円で同8・4%増。
投資的経費のうち普通建設事業費は、小中学校の耐震事業が完了したことなどに伴い大幅に減少した団体がある一方で、庁舎整備(市川市、習志野市など)や清掃工場(船橋市)など引き続き多額の事業費を計上した団体もあり、総額で微減にとどまった。また災害復旧費は、浦安市における市街地液状化対策事業が15年度で終了したことにより89・2%(287億4000万円)の減となったことなどを受けて大幅な減少となった。
義務的経費は、公債費が国保旭中央病院の地方独立行政法人化などの特殊要因により1・4%(28億1300万円)の増額となった。扶助費は、年金生活者等支援臨時福祉給付金事業の新設や生活保護費・私立保育園運営委託料の増などの影響で8・1%(374億7400万円)増加した。
一方、歳入面では、市町村税が9668億4000万円(前年度比1・3%増)で2年ぶりに増加。地方交付税は1495億4700万円(同1・1%増)で4年ぶりに増加。国庫支出金は3243億5400万円(同5・9%増)で4年連続の増。繰入金は743億4200万円(同17・8%減)で5年ぶりの減額。地方債は1993億1300万円(同5・4%減)で5年ぶりの減となった。
歳入は、市町村税が雇用情勢や設備投資などを踏まえ2年ぶりに増加したほか、国庫支出金が年金生活者等支援臨時福祉給付金事業の新設などにより4年連続で増加した一方で、繰入金が浦安市の東日本大震災復興交付金基金からの繰入金の皆減など、また地方債が臨時財政対策債の減少などによりそれぞれ5年ぶりに減少した。
このほか、16年度末見込みの県内市町村の債務総額(地方債現在高と債務負担行為翌年度以降支出予定額の合計)は2兆5710億8300万円で、15年度末見込みに対し0・2%減となった。