東京都福祉保健局は府中療育センター改築に伴う実施設計業務を横河建築設計事務所(品川区)に委託した。鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ2万4000平方b規模の建物に建て替える前提に沿って、建物や設備の仕様を固め、10月に工事発注する考え。
府中療育センター(府中市武蔵台2ノ9ノ2)は、多摩地域の医療・福祉拠点である「多摩メディカル・キャンパス」内にある。重症の心身障害児者に医療と福祉を一体的に提供するため、病院(内科、小児科、精神科、神経科、整形外科、脳神経外科、歯科)と医療型障害児入所施設(250床)、療養介護事業所の三つの機能を併せ持つ。管理棟や病棟、通所棟、事務室などで構成し、延床面積は1万5020平方b。
1968年の完成で、狭く老朽化していることに加え、短期利用ニーズの増加などへの対応が求められていることから、近接する府中病院跡地の一部約2万2000平方bに移転する格好で新たな建物を建設する。
新施設の規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ2万4000平方b。肢体不自由児の通園や心身障害児の外来相談を行っている多摩療育園(府中市西府町4ノ7ノ1)と一体的に整備することで機能を集約する。9月7日の納期で実施設計作業を完了させ、10月に工事を発注する考えだ。
建築工事はWTO政府調達協定対象の一般競争入札で発注する。電気、空調、給排水衛生の各設備工事についても一般競争入札を経て契約し、いずれも2017年第1回都議会定例会で請負契約の承認を得る。19年11月の完成を目指す。
多摩メディカル・キャンパスの再編事業ではこの他、神経病院を難病医療の拠点として建て替えることを検討している。16年度に基本計画の策定作業を開始し、新たな病院に盛り込む機能や建物の配置、規模、事業スケジュールなどを方向付ける。
提供/建通新聞社