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日刊建設工業新聞
2016/05/27

【鳥取】県が戦略会議を開く PPP/PFI活用 県立美術館など検討候補に

 民間の資金や経営能力を活用する「PFI」方式の検討会(座長・林昭男副知事)が26日県庁であり、県立美術館など四つの事業が各担当部局から検討候補に挙げられた。林副知事は「鳥取方式のPPPを考えていきたい」と述べ、民間のノウハウを活用できないか全庁で取り組みを進める。
 公共施設整備の新設・改修にあたって、県は今年度から「PPP」「PFI」手法を導入できないか本格的に検討する。民間の活力を呼び込み、コスト削減や県民サービスの向上につなげる狙い。対象は▽総事業費が10億円以上の公共施設▽単年度の運営費1億円以上の公共施設−。
 検討手順は、第1次検討で費用の比較や住民サービスの向上などを評価。次いで、第2次検討では専門的な外部アドバイザーによる検討を加え、従来型手法とPPP・PFI手法を比較して適否を判断する。
 県総務部は4月中旬に各部局に対し、PFIを活用する施設候補の提出を依頼。この結果、▽美術館=70億〜100億円=想定工期2020〜24年度▽博物館改修=未定(劣化・耐震改修のみ26億円程度)=24年度〜▽竹内南貨客船ターミナル=14億円=15〜19年度▽中央病院=270億円=14〜19年度−の4事業が寄せられた。
 うち中央病院は近く建設工事を発注することになっており、貨客船ターミナルは基本設計中で17年度にも着工することから活用検討は見送られる。
 また、美術館は建設計画が正式に決まった段階で、PFI手法の導入を検討する。
 会議では、検討の進め方を他県での具体例を取り上げながら課題点などを共有。さらに現在、直営で運営する26施設と、指定管理者制度を導入済み36施設の状況を点検した。今後、6月末までに各部局が検討可能な事業を再度、提出する。その後、9月にかけて管理運営の手法などを整理。指定管理者制度など導入可能な施設から具体的に着手する。