市川市は25日までに、次期クリーンセンター建設に係る環境影響評価業務をエイト日本技術開発(本社・岡山県、千葉事務所・千葉市中央区本千葉町10−5)、地質調査及び土壌調査業務をパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区神田錦町3−22)へ委託することを決めた。いずれも4月19日に入札が行われたが、低入札価格調査の対象となり公表が遅れた。
環境影響評価業務は、予定価格1億7853万円、調査基準価格1億4282万4000円(予定価格の80%)、失格判定基準価格1億1854万3000円(同66・4%)で入札が行われ、エイト日本技術開発が1億3195万円(いずれも消費税を除く)で落札した。委託期間は2020年3月19日まで。
一方、地質調査及び土壌調査業務は予定価格8267万円、調査基準価格7026万9000円(予定価格の85・0%)、失格判定基準価格6051万4000円(同73・2%)で入札が行われ、パシフィックコンサルタンツが6135万円(いずれも消費税を除く)で落札した。委託期間は17年3月21日まで。
環境影響評価業務では事業計画概要書の作成、環境影響評価方法書の作成、環境影響評価方法書に係る手続き、現地調査、環境影響評価準備書の作成、環境影響評価準備書に係る手続き、環境影響評価書の作成を行うほか、地質調査及び土壌調査では地質調査、土壌汚染対策法調査、ダイオキシン類調査を行う。
次期クリーンセンターは、現施設(田尻1003)南側の敷地を建設候補地とし、施設規模を焼却施設386t/日、不燃・粗大ごみ処理施設21t/日で計画。現時点での概算工事費は、焼却処理施設約267億3700万円、粗大ごみ処理施設約7億700万円の合わせて約274億4500万円を見込んでいる。
昨年度の基本構想に続いて本年度は施設整備基本計画を策定するとともに、環境影響評価業務等に着手(19年度までの継続)。17年度にPFI導入可能性調査を実施した上で、18〜19年度で事業者の選定、20〜23年度の4か年で設計から施工までを行い、24年度の稼働開始を目指す。
次期クリーンセンターの施設整備基本方針は、@効率的に熱エネルギーを回収する施設とするA安全性・安定性に優れた施設とするB災害に対して強靭な施設とするC市民への情報発信の拠点となる施設とするD経済性に優れた施設とする。
建設候補地は、現施設南側の敷地(約1万7000u)で、概算建築面積は8500u(工場棟部分7500u、スロープ部分1000u)。焼却施設の規模は、通常のごみ量の推計357t/日に、非常時の災害廃棄物分の余力29t/日を加えた386t/日で計画し、本年度策定する施設整備基本計画で処理方式を決定する。一方、不燃・粗大ごみ処理施設の規模は21t/日(5時間稼働)とし、災害廃棄物には操業時間の延長で対応する。
また、余熱利用に関しては、発電や余熱利用施設へのエネルギー供給等を視野に入れながら、ごみの焼却により発生する熱エネルギーを無駄なく効率的に利用することを基本方針とする。
現在のクリーンセンター(田尻1003)は、川崎重工業の施工で1990年から工事が進められ、94年に稼働を開始したもので、全連続燃焼式ストーカ炉600t(200t/24h×3基)の焼却施設と衝撃剪断併用回転式75t/5hの不燃・粗大ごみ処理施設を備えている。
建物規模は、工場棟がSRC・RC・S造地下1階地上7階建て、管理棟がRC造地上3階建てで、総延べ床面積2万3450・33u(工場棟1万9872・88u、管理棟3376・12u、付属棟201・33u)。
当初、13年度までに建て替える予定だったが、市の財政事情やストックマネジメントの観点から約55億円をかけて延命化工事(10〜13年度)を行い、建て替えを10年先送りした。
なお、次期クリーンセンターの施設整備基本計画等検討業務については昨年度、パシフィックコンサルタンツへ委託している。