建通新聞社(神奈川)
2016/05/25
【神奈川】民間の参入意向を把握、施設立地規模、交通基盤の事業・採算性も検討 6月下旬に業務委託先 上瀬谷通信施設の跡地利用 横浜市
横浜市政策局は米軍・旧上瀬谷通信施設の跡地利用で基本計画案を固めるため、民間事業者らの事業参入意向の把握や、導入施設の立地規模と交通基盤の事業性・採算性の検討などを行う。「平成28年度旧上瀬谷通信施設返還跡地利用調査業務委託(その2)」と題した業務で作業を進めるため、公募型プロポーザル方式で6月下旬に委託先を選定。2017年3月22日を期限に成果を得ることにしている。
旧上瀬谷通信施設は瀬谷区北町・瀬谷町と旭区上川井町にまたがる面積242fで、15年6月30日にアメリカから返還された。国有地と民有地がそれぞれ約110fを占め、うち民有地の多くは畑を中心とした農地。全域が市街化調整区域となっている。旧国道16号や環状4号線、保土ケ谷バイパスなどの広域幹線道路とインターチェンジに近く、交通利便性が高い。
市は▽広域の防災活動拠点・広域機能の立地▽首都圏郊外の自然レクリエーション空間▽都市型農業の振興▽交通利便性の向上に資する基盤整備―の四つの視点で跡地を利用する方針。15年度に日本開発構想研究所(東京都港区)に業務を委託して「都市的土地利用」と「農的土地利用」のエリア区分や整備手法などを検討した。
今回の業務は▽民間事業者らの立地需要の把握▽機能・導入施設の検討▽交通基盤計画の検討▽跡地利用の方向性の検討▽農業振興ゾーンと土地活用ゾーンの区域確定のための検討案の整理▽土地の整理と事業手法の検討―などが柱となっている。
ヒアリングやアンケート調査を実施して、民間事業者らの事業参入意向や導入可能と考える機能・施設、事業手法などを把握。農業振興やレクリエーション、物流、教育・研究といった視点で導入施設などの内容と立地規模を探る。交通基盤の事業性・採算性の検討は道路整備(街区道路、周辺道路との接続)や鉄道アクセスなどを念頭に進める。
土地区画整理事業や土地改良事業といった面的手法による土地集約と基盤整備の実現方策も検討。都市的土地利用エリアの市街化区域への編入などを視野に入れている。
URリンケージ横浜営業所(横浜市都筑区)が担当する別件業務(平成28年度旧上瀬谷通信施設返還跡地利用調査業務委託)の結果に基づく民間土地所有者の意向把握・整理も行う。
プロポ手続きは「建設コンサルタント等の業務」(建設コンサルタント・都市計画・まちづくりの1位登録)と「各種調査企画」(建設コンサルなどを除くコンサルティングの1位登録)の競争参加有資格者を対象に、5月16日まで参加意向申出書を受け付けた。6月8日を期限に技術提案書の提出を求めて審査し、6月下旬の委託先選定につなげる。
提供:建通新聞社