建設新聞社
2016/05/25
【東北・宮城ほか】初のICT活用工事を公告/新庄河川と北上川下流で計3件
東北地方整備局は、国土交通省が掲げるi−Constructionの展開に向けて、3次元データなどを導入するICT活用工事を初めて公告した。対象は、新庄河川事務所が23日に公告した「角川流域鹿の沢第5砂防堰堤工事」と、北上川下流河川事務所が24日に公告した「北上川下流月浜地区築堤(その8)工事」、同じく「北上川下流長面・釜谷地区築堤(その4)工事」。いずれも施工者希望U型を採用している。
国交省は生産性向上に向けて、本年度から土工へのICT導入を全面的に実施するとし、ICT土工推進実施方針、電子納品要領、検査技術基準といった各種基準類をまとめた。従来の部分的な情報化施工にとどまらず、着工前測量から施工、竣工検査といった一連のプロセス全体で3次元データの活用を推進していく。
東北地方整備局でも規模に応じて三つの方式を運用する。対象となる工事のうち、おおむね3億円以上で中央業者を想定した工事はICT活用を標準化する「発注者指定型」、おおむね3億円未満で土工量が2万立方bを超える工事は、一連の工程にICTを活用する場合に総合評価で2点を加点する「施工者希望T型」、おおむね3億円未満で土工量が2万立方bに満たない工事は、契約後に施工者からの提案・協議によってICTを活用する「施工者希望U型」(手上げ方式)に設定。いずれの場合も工事成績評定で評価するほか、発注者指定型は新設したICT活用工事積算を適用。施工者希望T・U型では設計変更によって費用を賄う。なお、ICTを活用する場合、納品等に際して二重納品は求めず、従来型の書類は不要とする。
このほど公告した3件は、いずれも地域企業を想定した一般土木工事C等級が対象。「角川流域鹿の沢第5砂防堰堤工事」は山形県戸沢村で砂防土工やコンクリート堰堤工などを施工するもので、工期は12月20日まで。山形県内に本社があり、かつ酒田または新庄圏内に事業所があることなどを要件とし、今月30日まで受け付け6月22日に開札する。
「北上川下流月浜地区築堤(その8)工事」と「北上川下流長面・釜谷地区築堤(その4)工事」は、ともに宮城県石巻市で河川土工などを施工し、工期は月浜地区が12月28日まで、長面・釜谷地区が2017年2月20日まで。2件とも拡大C等級の工事で、参加要件は整備局管内に本社があるか、石巻または古川圏内に事業所がある単体、もしくは復興JVなど。ともに今月31日まで受け付け6月17日に開札する。
同局では今後も順次対象工事を発注し、特に地域企業におけるICT施工普及状況を踏まえながら拡大していく構えだ。
提供:建設新聞社