徳島県警察本部は、「徳島東警察署庁舎整備事業PFIアドバイザリー業務」の委託先を八千代エンジニヤリング徳島事務所(徳島市)に決め、業務を開始した。同社は、民間資金を活用したPFI方式で庁舎を整備するため、実施方針の策定や特定事業の選定案の作成、事業者選定などを今後サポートする。順調なら年内にも実施方針を公表、PFI特定事業の選定を受けて、2017年度に事業者の決定と事業契約を行い、整備に着手する計画だ。
同署本館の既設規模は、鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建て延べ5747平方b。庁舎の構造や老朽状況から既設の耐震改修は困難との考えから、徳島市徳島町1ノ5の徳島地方裁判所跡地約4000平方bに移転新築することにした。
建て替えに当たっては、津波などの災害に備えた構造で、来庁者の利便性を考慮したバリアフリー化などを施した施設を計画。捜査本部室や証拠品倉庫、取調室の充実や職場環境を改善するため、床面積は既設庁舎の規模より増床し、9000平方b前後を見込んでいる。このほか120〜150台収容可能な自走式立体駐車場の整備、ホバリングスペースの設置などを目指している。
PFIの手法としては、徳島東警察署の設計(基本・実施設計)、建設、維持管理・運営を対象とし、現時点で民間事業者が施設を建設し、施設完成直後に公共に所有権を移転し、民間事業者が運営・維持管理を行うBTO方式が想定されている。また、事業の実現性を高めるために、維持管理と留置人への給食提供については、周辺の警察施設の業務も合わせて同事業で実施できるようにするVFM(バリュー・フォー・マネー)を上げるバンドリングといわれる事業規模拡大なども見込まれている。
順調なら16年内に実施方針の公表、特定事業の選定を受けて、事業者を公募し、17年度中にPFI事業者と契約。18年度からPFI事業者による施設基本実施設計、19年度の着工、21年度の供用開始が見込まれる。
提供:建通新聞社