別府土木事務所が整備している、杵築市溝井の大田杵築線で、三井・川田JVが施工中の(仮称)大田杵築線1号橋の道路改良工事が順調に進んでいる。
同工事は、旧大田村と市内溝井を結ぶ主要地方道大田杵築線2期工区の整備で現在、石山ダム湖をまたぐ、「単純下路式ニールセンローゼ桁橋」(L=172・5b)の、アーチ部分の架設を終え、道路下部にあたる補剛桁を大田・杵築の両側から送り出す作業が進んでいる。
鋼桁橋梁の建設には「ケーブルクレーン斜吊工法」を採用している。この工法は、石山ダムの両側に高さ約70bの鉄塔を設置し、鉄塔頂上部から斜めに張ったケーブルで橋体(アーチリブ)を吊り下げながら架設する。両側から架設し中央部分で接続したあと、アーチリブから斜めケーブルを利用して補剛桁(道路面が載る部分の補強桁)と床組を吊るして架設。その後、鋼桁同士を連結させ高力ボルトで締め付け、サビによる腐食を防ぐため現場で塗装する。最後に、通行車両の重みを橋桁や橋脚に伝えるために床板にコンクリートを打設する。高さ約70bの鉄塔からの仮設備の設置は、全国でも珍しいという。
同工事は、25年12月から進めているが、鉄塔を設置するなどの仮設備の設置に約7ヵ月をかけ、安全性を確認した上で27年7月から、橋体架設に着手した。今後は、6月中旬に補剛桁の接続、10月頃から床版工の施工を予定し、29年3月の完成を目指す。
垰博道現場代理人は「仮設の設置も現地での組み立て作業のため、狭いヤード内での作業に苦労した。また、部材を搬入する際にも、現道の幅が狭く、大型車との離合の問題なども含め調整に手間取ったが、今はほぼ解消された。地震の影響もなく、工事は順調」と話していた。
提供:
大分建設新聞社