北陸地方整備局立山砂防事務所は23日、立山町芦峅寺の同事務所裏(千寿ケ原連絡所構内)で「立山カルデラ上山式」を開催し、工事関係者らの上山中の健康と安全を祈念した。
雪解けによるカルデラ内砂防工事の再開に伴い、6月から10月までの約半年間、水谷出張所職員4人と、200人を上回る工事関係者が上山し、水谷平にある合宿所に宿泊して作業する。この日は、立山砂防事務所職員ら関係者をはじめ、立山町立立山小学校、富山市立小見小学校の児童ら約120人が出席した。
はじめに、大坂剛立山砂防事務所長が、「当事業は今年で90年。毎年多くの皆さんが、しばらく家族や仲間と別れ、難工事と言われる砂防工事に従事しなければならない。安全・健康に留意し、無事の下山をお願いしたい」と激励。児童を代表し、小見小学校の柿谷美里さんが「学校近くに本宮砂防堰堤があります。大雨が降っても土砂の心配がなく、毎日楽しく過ごせることに感謝しています」、立山小学校の江尻博之さんは「暴れ川だった常願寺川が、今のように僕たちの生活を支える川になったのは、工事に関わる皆さんのおかげです」と感謝の言葉を贈った。
これに応え、谷保和則水谷出張所長は「安全に留意し、富山平野の安心のため業務に努め、無事に工事を進めます」と力強く宣誓。引き続き、第1陣として、職員や工事関係者ら23人がトロッコに乗り込み、汽笛一斉吹鳴を行った後、標高1117メートルの水谷出張所に向け出発した。
このほか、児童に砂防工事を理解してもらうため、トロッコの体験乗車や、土石流模型を使った実験も催された。