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建設経済新聞社
2016/05/24

【京都】東山の元清水小跡活用候補 NTT都市開発を選定 40室収容のホテルに活用

 京都市はこのほど、東山区の元清水小学校跡地活用に係る契約候補事業者について、エヌ・ティ・ティ都市開発梶iNTT都市開発。代表取締役社長牧貞夫氏、東京都千代田区)を選定したと発表した。今後、同社と市との間で基本協定書を締結し、地域住民との三者で事業化に向けた合意形成のための協議を行う。6月中に基本協定書を締結し、事前協議会設置・開催、貸付契約締結となる。
 同社の提案は「既存校舎の意匠や構造を生かしつつ、京都の伝統技術や文化を取り込み、質の高い宿泊施設として整備することにより、清水地域のブランド力をより一層向上させるとともに、ICT等を活用して地域の絆を深めるコミュニティ空間を創出する」内容。主たる事業はホテル事業で、客室数は40室を予定する。
 このほか、敷地内に独立して整備する地元利用施設に集会所、倉庫、展示スペース等を集約。清水小の思い出の写真等をデータ化して保存・展示するアーカイブミュージアムとする。グラウンドは地域の憩いの空間として整備する。
 同社の貸付希望期間は60年間、貸付希望価格は6500万円(年額。地元利用等の調整による減額前の金額)。
 講評によると、同社の提案は「ホテルと地元施設の入口を分けて、ホテル利用客と地域住民の双方が利用しやすくし、かつ、両者の交流を意識しながら自治活動の継続・更なる発展に配慮された施設であることや、観光地としての特性に応じた避難所機能の大幅な拡大などに特徴がみられ、賑わいの創出と安心・安全なまちづくりに資するものであった。また清水小の思い出の写真や動画をデータ化し、ホテル利用者のみならず、世界に発信していく、アーカイブミュージアムを設置するという、地域の新たな魅力を創出しながらまちづくりのツールとして活用する提案もみられた。さらに京都の伝統産業品や京都産食材などの積極的な活用や、周辺施設との連携による相乗効果など、地域経済全体の活性化への貢献が期待できるものであった。財務状況についても安定しており、長期的かつ安定的に元清水小跡地を活用できるもの」と評価。提案通り「世界があこがれる観光都市・京都」の情報発信強化に寄与するホテル運営を行うとともに、地域と良好な関係を構築し、コミュニティの活性化と、より多くの新規雇用の創出を求めたいとしている。
 計10社の選考結果によると、NTT都市開発は210点中、170・4点だった。A事業者は160・6点、B事業者は157・5点、C事業者は149・8点、D事業者は143・6点、E事業者は137・8点、F事業者は137・3点、G事業者は131・6点、H事業者は126・9点、I事業者は121・8点だった。
 選定委員会は八木匡同志社大学経済学部教授を委員長とする計5人。
 23年3月閉校の元清水小学校跡地(京都市東山区清水2丁目204−2他)は二年坂や産寧坂などの観光地の近くに立地する。敷地面積は7296・19u(公簿面積)。
 元清水小の建物は近代建築物として歴史的価値を有するが、耐震性能を有していないため耐震診断を実施し耐震改修が必要となる。管理棟はRC造地下1階地上2階建、延1106u(昭和8年築/Is値0・56[未改修])、教室棟はRC造地下1階地上3階建、延2698u(昭和8年築/Is値0・55[未改修])、体育館はRC造平屋建、392u(昭和8年築/Is値1・37)。そのほかプール等がある。