高知県・高知市南海トラフ地震対策連携会議が18日、県庁で開かれ、長期浸水や住宅耐震など13の分野で、2018年度までの3年間に県と市が連携し進める取り組みを報告した。長期浸水対策については、県が浦戸湾三重防護の新規採択を受け16年度から着手することや、河川・海岸堤防の耐震化、排水機場の耐震・耐水化の計画を示し、市は下水道幹線管路の耐震化、雨水ポンプ場の耐震・耐津波対策などの取り組みを報告した。
浦戸湾に流入する河川堤防の耐震化について県は、16年度までに江ノ口川と鏡川に挟まれた中心市街地の耐震化を完了させる方針を示していた。しかし全国防災事業が15年度で終了したため、16年度は厳しい予算編成を余儀なくされており、16年度は事業費4億円で鏡川と国分川の延長150bで工事を実施する。その影響で、16年度に予定していた排水機場の耐震化は17年度以降に延期する。海岸堤防の耐震化は若松町地区で工事を継続、新田町地区で調査設計を継続、中の島地区と萩町地区で調査設計に着手する方針。
16年度に市が進める長期浸水対策では、中部合流幹線と金子橋北街合流幹線の耐震化に着手し、潮江と瀬戸の水再生センターにある雨水ポンプ場での耐震・耐津波診断、古川徳谷・出分の農地排水機場で耐震補強を進めることなどを報告した。
また県が定めた第3期南海トラフ地震対策行動計画でも、尾ア知事が「一丁目一番地」としている住宅耐震化については、県が毎年1500棟の既存住宅耐震化を促進するとし、コンクリートブロック塀の安全対策、老朽住宅などの除却についての取り組み内容についても報告した。
提供:建通新聞社