徳島県は、2017年度政府予算編成に対する政策提言をまとめた。13日には国の新たな制度や施策に反映されるよう、政府などに対して提言活動を行った。「『地方創生』の加速による『一億総活躍社会』の実現」(70項目)と「『地方創生』の礎となる『社会基盤づくり』の確立」(23項目)をテーマに計93項目で構成。前年度より6項目増えた。新規に「『道の駅』による地域活性化の推進」や「TPPを『迎え撃つ』農山村地域の基盤整備の推進について」など35項目を盛り込んだ。
今回の政策提言では、待ったなしの「地方創生」と「一億総活躍社会」を実現するため、国と地方が連携・協力しながら進める施策や制度の見直しなどを網羅。「『地方創生』の加速による『一億総活躍社会』の実現」では、前年度に引き続き「しごとの創生」「ひとの創生」「まちの創生」に分け提言。地方に仕事を作り、新しい人の流れをつくり、時代に合った地域をつくる施策などを提案。
「しごとの創生」では、「地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする」をテーマに、中小企業・小規模事業者支援拠点の充実、「道の駅」による地域活性化の推進についてなど35項目を盛り込んだ。「道の駅」による地域活性化の推進では、道の駅を地方創生の実現に向けた「小さな拠点」と位置付け、多様な道路ユーザーに配慮したものに進化させるほか、燃料電池自動車の普及や四国遍路の魅力向上も視野に入れ、水素社会実現のための規制緩和や歩行者を対象とした「道の駅」制度の創設を提案する。
このほか「ひとの創生」では、「地方への新しいひとの流れをつくる・若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」をテーマに、「消費者庁、国民生活センター等」の徳島移転など15項目。「まちの創生」では、「時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する」をテーマに、過疎地域等の暮らしを支える支援の拡充や空き家の利活用促進など20項目をそれぞれ提言としてまとめた。
一方、「『地方創生』の礎となる『社会基盤づくり』の確立」では、四国新幹線の実現(継続)や大規模自然災害を迎え撃つ国土強靱(きょうじん)化の着実な推進(一部新規)、緊急的な公共工事を可能とする積算体系の構築(新規)、南海巨大地震を迎え撃つ事前復興の推進(新規)、下水道の整備促進(新規)などを盛り込んだ。このうち南海巨大地震を迎え撃つ事前復興の推進では、「津波防災拠点整備事業」の採択要件の緩和を提案。津波災害警戒区域(イエローゾーン)への交付対象の拡充や用地取得造成費の交付対象に高台への住居移転を促進する「公営住宅」を追加するよう求めている。
提供:建通新聞社