「新潟地震の時に九州から支援頂いたお返しの気持ち。そして我々の地震経験が役に立てば」。
新潟県建設業協会の本間達郎会長と笠原悟専務理事ら4人は14日、建設会館を訪れ、熊本地震の見舞金を熊本県建設業協会の橋口光コ会長に手渡した。
熊建協からは橋口会長のほか、豊後謙藏常務理事、堀敏行政策局長らが応対。地震発生後の各支部・部会の活動状況と、立野地区、俵山トンネル、熊本城などの被害状況を写真で説明した。
橋口会長は、今後の見通しについて▽下水道施設や市町村の公共土木施設の被害状況がこれから相当出てくる▽梅雨による2次災害も懸念され、暫くは手が付けられないのではないか▽通常の工事発注もストップしているので、手持ち工事の無い業者への早期対応が必要―などと話した。
これに対し本間会長は「新潟地震では、電気探査で橋梁の基礎杭の座屈が判明したこともあった」「役所に業者を派遣して対応した」「地元の業者が一番動きやすく地形も理解している」―などと過去の災害対応の経験を踏まえてアドバイスした。
一行は熊本城と熊本市東区、益城周辺の住宅地の被災状況も視察した。
地元建設業「誇り」を
新潟県建設業協会 本間達郎会長
熊本城の被災状況を視察した本間会長は、西日本建設新聞社のインタビューに応じ、熊本地震についての印象と熊本の建設業者への思いを語った。
新潟や東日本の地震と違い、ポイントポイントで被災していて、メリハリが大きすぎる。大変な破壊力を感じ、何で熊本城が被災したのかと残念に思う。復旧・復興にはまずインフラ、特に住宅を早く手当してあげることが大事だ。東北も新潟もそうだったが、被災者が可愛そうだ。
地元の建設業の皆さんは、先頭になって被災地にいろんな手を差し伸べていると思う。しっかり続けてもらいたい。自身が被災している人も多く長期戦になるので、特に健康面に気を付けてほしい。
そして、今やっていることに誇りを持ってほしい。我々も、正当に国民に評価して貰えるようアピールする必要がある。今回、一般紙に建設業の文字は出ない。故意なのかは分からないが、企業の重機も映さない。「国、消防、自衛隊だけがやっているように思われますけど、本当は違うんですよ」と発信しなければならない。我々の立ち位置が良くないのかもしれないが、信頼される業界であり続けることが大事だろう。
日本人は奥ゆかしいのか「俺が俺が」と言わない人が多い。でも建設業は人の為、地域の為にも活動していることを若い人たちに理解して貰えれば、入職に繋がるだろう。災害が多くあってはいけないが、変われるきっかけの一つであるのは間違いない。皆さんがんばってください。
提供:
西日本建設新聞社