株式会社大林組(東京都港区港南二丁目15の2、白石達代表取締役社長)は、能代市浅内沖、三種町八竜沖、男鹿市若美沖を候補海域に検討を進めている(仮称)秋田県北部洋上風力発電事業について、今年度から2年間の環境アセスを経て平成30年度頃から事業単位ごとにボーリングや測量、設計を行って収支を計算し、4年後をめどに事業化するかを判断する方針だ。風力発電機の総出力は最大455,000kW。
事業の実施を想定している区域は能代市浅内沖、三種町八竜沖、男鹿市若美沖の海域約65ku。風車を設置する適地は、あきた沖合洋上風力発電導入検討委員会で提示された検討対象海域(約59ku)のうち、約49kuを予定している。近隣には能代火力発電所、港湾施設、男鹿国定公園などがあり、最も近い集落は三種町大口釜谷地区。
風力発電機の総出力は最大455,000kWで、5,000kW級を浅内沖に32基160,000kW、三種沖に32基160,000kW、若美沖に27基135,000kW、最大で91基設置する計算となる。
先月には計画段階環境配慮書の縦覧を行っており、今年度から約2年をかけて環境アセスを行った後、平成30年度頃から2年間、事業化の検討を行う。着工が決まれば、32年度から3カ年をかけて工事する予定で、運転開始は最短でも7年後の35年度となる。
合わせて、送電網の整備を計画している特別目的会社(SPC)の秋田送電株式会社(丸紅、秋田銀行、北都銀行)も、県北の一般海域での事業化が決まった場合は32年度頃から工事に着手し、風力発電機と並行して整備する見通し。
なお、大林組は秋田港・能代港で検討されている港湾区域内の着床式洋上風力発電で丸紅、エコ・パワーと共同で事業者となっている。秋田港は65,000kW(5,000kW×13基)、能代港は80,000kW(5,000kW×16基)で検討している。
港湾区域内の洋上風力発電は県北部より2年程度、検討が先行しており、29年度まで環境アセスを行いながらボーリングや実施設計も行い、それらを終えた2年後をめどに事業化を判断する。事業化した場合は30年度に着工し、33年度の運転開始を目指す。着工が決まれば県北部と同様、秋田送電は30年度頃から工事に着手する。
提供:秋田建設工業新聞社