YKK(東京都千代田区、吉田忠裕会長)が黒部市内で計画の「パッシブタウン第3期街区」の安全祈願祭が16日、施工者の松井建設主催により執り行われた。
第3期街区は「既存ストック活用による単身者向け省エネルギー住宅モデルの提案」を計画方針に、既存のYKK茅堂住宅J棟(87年築)、K棟(92年築)をそれぞれ改修し活用するもの。K棟を4階から3階に減築し屋上庭園を設けるほか、エレベーターの設置や外皮強化(断熱気密化)による温熱環境の根本的な改善を施す。構造はRC一部S造で、住戸数は計36戸(1DK フラットタイプ28戸、メゾネットタイプ8戸)。総事業費は約11億円。完成はJ棟が17年3月、K棟が同年6月を予定している。設計はキーアーキテクツ(神奈川県鎌倉市、森みわ代表取締役)。
安全祈願祭では吉田会長や堀内康男市長、松井隆弘松井建設社長らが順に玉串を捧げ、施工中の無事故を願った。吉田会長は「第3期は、1・2期とは設計者も、テーマも異なり、新たな挑戦が始まった」と意欲を示した。松井社長は「同じ富山創業の企業として、たいへん光栄。しっかりと施工していきたい」と述べた。
「パッシブタウン」は、黒部市三日市の茅堂社宅跡地約3万6100平方メートルを開発し、黒部の自然エネルギーを活用した21世紀の持続可能な社会にふさわしいローエネルギーのまちと住まいを提案するプロジェクト。総住戸数約250戸、入居者数約800人、総延べ床面積は4万2900平方メートルを見込み、25年の全体完成を目指す。第1期は3月に完成、第2期は10月に完成予定。