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西日本建設新聞社
2016/05/17

【熊本】NADA、被災施設のアスベスト飛散調査

 日本アスベスト調査診断協会(略称NADA・本山幸嘉理事長)は10日、平成28年熊本地震で被災した熊本市中心部の繁華街を見て回り、アスベストの飛散防止のための調査を行った。協会員技術者らが目視により状況を確認。アナライザーと呼ばれる特殊な検知器を使って調べた。飛散の可能性がある建物については応急措置を講じるという。
 調査したのは、特に被害が大きい内部が露出した建物約80カ所。熊本市の建築指導課の応急判定を基に、環境政策課の職員らが施主に同意を求め検査した。主に昭和31年から平成元年までに施工されたS造の建物には、吹付ロックウールなどアスベスト含有建材を使ったものが多いことから、施設の建設年代を判定しながらの細かい作業となった。
 技術者らが目視で点検した後、アナライザー(近赤外線を使用した高速アスベスト専用分析計)で計測。数秒の測定時間により検出可能で、建材のアスベスト含有量が1%以上を検知する。東日本大震災被災地におけるがれきのサンプリング調査で使用されるなどの実績を持つ。
 本山理事長は「協会員技術者は、支援活動(ボランティア)で参加していただいている。震災後、4月27日から益城町を皮切りに宇土市、御船町を調査した。熊本市は5月2日から健軍、花立、沼山津を実施したばかり。中心市街地は3日間の日程でファイバーモニター(アスベスト飛散計測装置)を使って調べ、住民に状況を認識していただくよう活動する」と話している。

提供:西日本建設新聞社