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日本工業経済新聞社(山梨)
2016/05/16

【山梨】411号勝沼は電線共同溝 県峡東建設の16年度事業概要

 県峡東建設事務所(佐藤昭夫所長)は、2016年度の主な事業概要をまとめた。国道411号は、上萩原バイパスでトンネル工と橋梁架設を含む2工区整備を推進し、勝沼では電線共同溝・歩道設置を進める。河川事業は日川での工事用道路整備などを計画し、塩の山西広門田線は電線共同溝に着手する。
 道路事業においては、トンネルや橋梁などを整備し14年に1工区の供用を開始した国道411号上萩原バイパスで、早期完成を目指し残る2工区L1200mの整備を進める。2工区には、2号トンネル(L162m)と3号橋梁(L168m)の構造物が計画されており、全幅7m(車道5・5m、現状の全幅は5・5m)に拡幅する。同勝沼拡幅は、用地取得の継続とともに等々力交差点側からの電線共同溝、歩道設置の進捗を図る。
 河川砂防関連では、平等川の護岸工(山沢橋上流)、日川の堰堤緊急改築に向けての工事用道路整備が主な事業。総事業費に9億円を見込む都市計画道路塩の山西広門田線では電線共同溝に着手し、山梨市駅南線は引き続き用地買収を行っていく。
 峡東建設事務所の本年度主要事業は次のとおり。
■道路事業
【国道411号上萩原V期バイパス(甲州市上萩原)】
 国道411号は東京都八王子市を起点とし、丹波山村、甲州市などを経由して甲府市に至る幹線道路である。また、災害などの緊急時の避難・救助道路としても重要な路線であり、第一次緊急輸送道路にも指定されている。
 特に、甲州市塩山上萩原地内においては急カーブが続く山岳道路で、道路法面の崩落が頻発するなど交通の隘路となっており、走行の安全性確保や防災対策を目的に順次バイパス建設を進めている。
 第V期バイパスは、延長1900m、幅員5・5m(全幅7・0m)、トンネルを2カ所、橋梁3カ所を整備する。全体事業費は約50億円を見込んでいる。15年度までに、トンネル1カ所と橋梁2カ所、補強土壁などを整備し、一部供用(延長700m)を開始した。残る橋梁工事とトンネル工事を進め、早期の供用を目指していく。
【国道411号勝沼拡幅(甲州市勝沼〜等々力)】
 本路線の勝沼町山〜等々力間約2qは、道路幅員が狭く大型車同士のすれ違いが困難なことなどから、朝夕の通勤時間帯には交通渋滞の原因となっている。また、歩道も未整備区間が多く、非常に危険な状況で、通学児童や観光客などの安全性確保が課題となっている。
 このため、道路拡幅事業により道路の両側に充分な歩道を確保するとともに、景観や防災面にも配慮し、電線類の地中化を行う。
 全体計画は延長2000m、幅員6・5m(全幅13m)。総事業費は約50億円。14年度までに用地買収、歩道設置、大塚橋の架け替えを実施した。本年度は引き続き用地買収を進めるとともに、等々力交差点より歩道設置、電線共同溝の工事を行う予定である。
【国道137号新御坂トンネル補修(笛吹市御坂町藤野木)】
 新御坂トンネル(延長2778m)は、山梨県営御坂トンネル有料道路として1964年に工事着手し、67年4月に供用開始された。94年11月に無料化された後、交通量も増加し、甲府都市圏と富士北麓地域を連絡する重要な役割を担う路線となっている。
 これまでも99年のトンネル緊急点検を受け、02年にかけて覆工コンクリート背面の空洞充填を行うなど、安全な通行の確保のため必要な補修を行ってきた。14年5月の天井板の撤去に始まり、覆工コンクリートの剥落対策や経年劣化に伴うトンネル内の舗装補修工事を施工しているところである。
 今年度は、引き続き剥落対策を実施する。今後は「山梨県トンネル維持管理計画(14年11月)」に基づき、トンネル点検を行いながら、老朽化対策に必要な補修工事を進めていく。
■河川砂防事業
【平等川河川改修(笛吹市春日居町鎮目)】
 富士川水系平等川は、笛吹市春日居町鎮目地内から延長700mについて、河道拡幅工事に着手する。本年度は山沢橋上流の護岸工事を進める。
【宮ヶ入沢砂防事業(笛吹市芦川町上芦川)】
 富士川水系芦川に流下する渓流の宮ヶ入沢は、保全対象として上芦川集落の人家、第二次緊急輸送道路である主要地方道笛吹市川三郷線、上芦川農業集落排水場等の公共施設があり、12年度から砂防堰堤1基および渓流保全工を整備する事業を行っている。本年度は砂防堰堤工事を完了し、引き続き渓流保全工の整備を進める。
【日川砂防事業(甲州市大和町木賊)】
 富士川水系日川流域には、保全対象施設として、多くの人家のほか、保育園、老人ホーム、公民館、国道20号等の公共施設がある。既設の天目堰堤は損傷箇所が著しく、現行基準を満たしていないことから、基準を考慮した緊急改築事業に着手する。本年度は堰堤の緊急改築のための工事用道路整備を進める。
■都市計画事業
【塩の山西広門田線U期(甲州市塩山上於曽)】
 塩の山西広門田線は、延長870mについて道路幅員を17mに拡幅、歩道を整備し、併せて電線の地中化を行うものであり、T期工事として延長560mを98年度から11年度までに整備した。現在行っているU期工事は、残る延長310mを10年度から18年度までの計画で進めている。昨年度まで用地買収を実施しており、本年度から電線共同溝工事に着手する予定である。総事業費は9億円。
【山梨市駅南線T期(山梨市上神内川)】
 都市計画道路山梨市駅南線(県道山梨市停車場線)の延長720m区間において幅員を17mに拡幅する事業で、12年度から7カ年の予定で着手しており、本事業により、車両および歩行者の安全性の向上、交通渋滞の解消、周辺地域の活性化など、様々な効果が期待される。昨年度まで用地買収を進めてきており、本年度も引き続き、用地買収を行う予定である。概算事業費は28億円。